大型刃タイプは使いやすいノコギリに変身できる

以前から気になっていた、大型刃タイプのカッターナイフに取り付けられるノコギリ刃の存在。今回、愛用の赤ギザに取り付けて使ってみました。これが軽作業にうってつけ! 素晴らしい使い心地でした。
あかぎざのこ

お気に入りの赤ギザに「小さくても一人前」(製造元:レザーソー工業)という商品名のノコギリ替え刃を取り付けました。これで、サイズが小さめの木材を気持ちよくカットすることができます。

いま、ハーフビルドDIYで計画中のウッドフェンスの1/10の模型を作るために、9ミリの工作用の木角材を切ってみたのですが、きれいにカットできました!
赤黄カッター

薄い板は黒刃を装着したOLFA「NXL-500」で難なくカット。これは気に入っていて勝手に「黄ギザ」と呼んでいます。ノコギリ刃を装着したNTの赤ギザと2本で木のフェンスの模型材料を切り出し中。

今回は見つからなかったのですが小型刃のノコギリタイプがあれば小回りが利くので、ジグソーのように薄い材の曲線切りになるなぁ、と感じました。できれば赤ギザ本体も小型化してコンパクトなノコギリ刃も出してほしい、と赤ギザファンの一人として思います。
フェンス模型

色を塗って出来上がった木製フェンスの模型。プロのモデラーさんの足元にも及ばない仕上がりですが、意図せずシャビーな雰囲気に……。これは、あるお宅のウッドフェンスをプロの職人さんとともに作る「ハーフビルドDIY」の手法で進行中。幅4メートルもある木製フェンスが完成したら、このサイトで紹介します。 COMING SOON!


先端が30°の刃のカッターナイフは模型作りに最適!

プロの建築模型作りのモデラーさんや、趣味でプラモデルを作る人にはおなじみの、刃先の角度が30°のカッターナイフをご存知でしょうか? あまり文具コーナーなどには置いてありませんが、エッジが鋭いので細かな作業に向いています。
30度カッター

上がNTのステンレス製の30°の鋭い角度の刃先を持つ「プロシリーズ」。下はこれを使ってスチレンボートを「トメ」(接合方法のひとつで45°で張り合わせること)で切り出しているところ。これは難易度の高い作業。写真はプロのモデラーさんの手元です。以前、『建築模型製作完全ガイド』という本を執筆・編集した時のショット。

有名なものはNTの型番「AD2-P」というボディがステンレス製の、「プロシリーズ」と呼ばれる製品で、1980年代後半ごろに発売されたものです。

プロシリーズと聞くとお高いイメージですが実勢価格は500円前後。DIYや工作で細かい作業をするときは一度、30°刃の快適な使い心地を試してみてください。

この商品に限らず、カッターナイフ全体の価格が発売以来、数十年、ほとんど変化していない(むしろ下がっている?)ことも発見でした。

ナンシー関さんが使っていたデザインナイフ「D-400」

NTやOLFAなどのカッターナイフメーカーが力を入れている製品に「デザインナイフ」があります。これは軸がペン状になっていて刃先が鋭く小さく、細かな作業に向いています。

今ではデータ出力のレーザーカッターが主流なので出番は減っているかもしれませんが、カッティング・シートなど手作業の曲線切りには不可欠。立体物でも、ガンプラ作りが趣味の人には、おなじみかもしれませんね。彫刻刀がわりに版画制作などにも使われます。

そして「消しゴムはんこ」作りで威力を発揮するのがデザインナイフ。コラムニストで消しゴムはんこ作家の第一人者だったナンシー関さんもデザインナイフで彫っていました。評伝などを参照するとナンシーさんの使ってたデザインナイフはNTの「D-400」という製品らしい。探しました、そして見つけました!
デザインナイフ

ナンシー関さんが使っていたといわれる「D-400」。天才ナンシーさんは、このナイフにこだわっていたんだなと考えると、ちょっぴりせつないような気持ちに……。100均にも同様のものがありますが刃が3倍くらいあり細かな作業は不向き。100均や北欧ブームなんかもナンシーさんならどう斬ってくれたことでしょう? パッケージに表記された「インレタこすり」。これまた懐かしいコトバ……。

コラムストとして「TVブロス」などサブカル系雑誌はもちろん、各種週刊誌など各種媒体で執筆されていたナンシーさん。時代を的確にとらえる眼力、自分自身にも突っ込みを入れるなどの独自の文体は読むたびにうならされたものでした。

いろいろな出来事や気になる現象がブームになったりするたびに「ナンシーさんが生きていたら、このモヤモヤをきっとスカッと解決してくれただろうなぁ」と今でも思います。

ナンシーさんのコラムには、自身で彫った芸能人などの似顔絵の「消しゴムはんこ」が押されていました。はんこ絵だけでも笑ってしまうほど特徴をとらえていましし、そこに添えられた気のきいた一言に幾度、楽しませていただいたかわかりません。

そんな経験もあり、いつか消しゴムはんこに挑戦したい、と考えていました。

今回、カッターを調べているうちに、消しゴムはんこは「最近の超軽い樹脂製のカッターナイフで作れるんじゃね?」と実験で使いかけの消しゴムを掘ってみましたが、小さな曲線などはムリ! ナンシーさんごめんなさい……。D-400を使います。

ナンシーさんに敬意を払いつつ「簡単な消しゴムはんこの作り方」を現在、鋭意、研究中です。

最後に……

カッターナイフの種類や派生製品、使い方などについて見てきました。

「折る刃」のアイデアは、割れる板チョコに発想を得ています。刃を折れば新品状態で使えるナイフ……。日本発祥の製品が世界中で愛されるスタンダードな道具となりました。

そしてデザイン性の高さや使い心地も向上し、用途や種類も増え続けています。OLFAだけでもグッドデザイン賞を受賞した製品が50以上も! 一方、NTは定番品や質実剛健な作りが、職人さんやモデラーさんに根強いファンが多い印象。
古い4本

私が「ヴィンテージもの」と勝手に判断したした4本。上の2本は1980年代のものでしょうか? NTの「A-301」という型番のカッターナイフで色焼けがいい味わい。上から3本目はNTだと思っていましたが、OLFAの社名が岡田工業だった時代の1974年に発表されたステンレスタイプの「シルバー」。これは設計事務所勤務時代から使っていて裏に自分の名前が刻んである。これも良質の純正刃に替えてあげましょう。下はOLFAのロングセラー「ブラックS型」で70’Sらしいデザインがお気に入り。

今や、100均で数本入りも買えるほど安価になったカッターナイフ。なんとなく、ボールペンのように消耗品っぽくなってきて、刃が使えなくなると「もー、捨てちゃえ」という人もいるかもしれません。

ですが老舗メーカー2社は、さすがに先駆者だけあってロングセラーはもちろん、新製品群にも魅力的なものが多いことを再確認しました。

NTの赤ギザの鮮やかなレッドや、OLFAの黄色いボディは作業現場などで目立つので見つけやすいといった利点がありますね。

こうした色のイメージで消費者の心をつかんだOLFAやNTの製品たちは、30年ほど前から始まった企業戦略のひとつ、「CI(コーポレート・アイデンティティ)計画」の成功例ともいえるでしょう。今では、「ブランディング」という言い方が一般的かもしれませんが……。

どんなメーカーのカッターナイフでも、手にフィットして愛着のあるボディなら互換性のある上級の刃に入れ替えるだけで、その切れ心地がグッとアップします。そして機能を追加したり、新しいフォルムや素材を採用したものも、どんどん出てくるので目が離せません。

カッターはあらゆる「ものづくり」「手づくり」に必須ともいえる道具。身近な存在のカッターナイフを見直してみませんか?
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