マネジメント/マネジメント事例

ラグビー日本チーム躍進で実証!「成果の法則」とは(2ページ目)

日本代表チームの予想外の大活躍に盛り上がったラグビー・ワールドカップ。ベスト8入りこそならなかったものの、これまで7大会で1勝しかできなかった日本チームが、今回はなんと3勝という快挙を成し遂げました。今回の躍進は成果へ導くとあるビジネス法則があてはまるのではないか。ビジネスにおいて成果に導く万能の法則を御紹介しつつ、ラグビー日本代表チーム躍進の理由を検証します。

大関 暁夫

執筆者:大関 暁夫

組織マネジメントガイド

管理にも応用可能な万能法則

この法則は、管理職としての仕事でも大いに力を発揮するのではと感じています。チームをまとめる時には個別ミーティングにより、コミュニケーションと言う行動量の増加と各メンバーが何を考え何を悩んでいるのかと言う情報量を増やすことで、鋼のチームワークが確立します。

手前味噌にはなりますが、支店長として不振状況にあった自己店舗の店頭営業活動の改善には、自ら窓口に入るという行動量の増加と来店客からの生の声を集めつつそれに合わせた担当者の知識・情報量を増やす活動で、業績のV字回復を果たすことができました。

「成果=知識・情報量×行動量」の法則は、その後の個別企業のアドバイザリーに携わる中でも、改善の基本の軸として様々な場面で活躍してくれています。要は、問題状況下において、キーになる情報・知識とキーになる行動さえしっかり把握できさえすれば、今何を吸収し何を徹底するべきなのかが分かり、確実に成果に結び付けることができるのです。

「外部の血導入×世界一の練習量」で技術向上した日本代表

さて、今回のラグビー・ワールドカップ日本代表チーム。今回の大活躍に関する様々な報道を耳にして、私はなるべくしてなった成果であると納得しました。なぜならば知り得た情報を整理すると、きれいに「成果=知識・情報量×行動量」の法則に当てはまるからなのです。

まず第一に、「知識・情報量」。代表メンバー31人中10人を外国人で構成するという大胆な外部の血の流入と、指導者としてワールドカップ経験豊富なオーストラリア人エディ・ジョーンズ・ヘッドコーチの起用が挙げられます。あらゆる知識は、異なる経験あるいはより高い水準の経験を持つ者との交流により得られる成果は測り知れないのです。大胆に外の血を導入したチーム編成改革と、世界を知る指導者の下での指導により「知識・情報量」は格段に厚みを増したことは間違いありません。

解説

ラグビーでは練習量=行動量

そして関係者が胸を張って公言する「世界一の練習量」。4月の合宿始動からワールドカップ終了までの半年間、選手の拘束時間は約160日。初戦で歴史的番狂わせとなった対戦相手南アフリカは7月上旬に始動していたようですが、これを考えると約2倍のチーム練習を重ねたことになります。しかも合宿では、早朝5時半から1日3~4部構成の練習を実践。1か月で計91の練習セッション。これは他国の3か月分の練習量に相当すると言います。まさしく「行動量」は限界値に近いところまで引き上げられていたのです。

「成果=知識・情報量×行動量」の法則はビジネスに限らず、成果を求められるシーンにおいて万能であると思わされるに十分すぎるラグビー・ワールドカップ日本代表チームの活躍でありました。

ビジネスでもビジネス以外でも、何か壁にぶち当たった時に「成果=知識・情報量×行動量」の法則を思い出していただき、今自分にとって何が足りないのか、「知識・情報量」なのか、はたまた「行動量」なのか。ガイド自身も多くの場面でこの法則に助けられてきました。自社や自身の停滞局面ではこの法則を思い出し、一度立ち止まって再スタートを検討してみてはいかがでしょうか。

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