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4DX上映、そのこだわりの演出の作りかたとは?

体感型エンタテイメントシアター“4DX”のこだわりの演出は、どのように作られているのか? 4DXの技術担当チームに質問を投げかけてみました。

ヒナタカ

執筆者:ヒナタカ

映画ガイド

近年注目を集める体験型シアターの裏側に迫る

観客

3Dメガネで4DX上映を楽しむ観客たち

皆さまは、映画の“4DX”上映というものをご存知でしょうか。韓国のCJ 4D PLEX社が開発したもので、スクリーン上のアクションに合わせてシートが動くほか、風や霧、水しぶきが飛んできたり、さらには香りまで発生させることが可能な、五感を刺激する体感型エンターテインメントシアターです。

私は『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド』と『ファンタスティック・フォー』で4DXを体験したのですが、その演出は凝りに凝っており、どうしたらこのような体験をもたらすことができるのか、ずっと疑問でした。

そこで、CJ・4DXの技術担当チームのみなさんに質問を投げかけてみました。技術者の方たちは、どのような4DX演出へのこだわりがあるのか? いままで4DX演出をした作品でお気に入りは? たっぷりとお届けします。
4DXcreator

4DX技術者のみなさん


演出で重要なのはストーリーの「キーポイント」

――4DXを体験した時、モーションチェアー(シーンに合わせて大きく動く椅子)や風などの効果演出に驚きました。この効果を演出するに当たって、どんな努力をされたのでしょうか?

TheThing

ザ・シング

まず、4DX演出の作業では、映画のストーリでいちばんのキーポイントとなる部分に集中して効果を演出します。現在公開中の『ファンタスティック・フォー』であれば、キャラクター別に各自の独特な特徴を持っているというのがキーポイントでした。

“ザ・シング”が登場するときには「ドシドシ」という動きを表現するため、少し過剰なぐらいにモーションチェアーの演出をして、“ヒューマン・トーチ”が登場するシーンでは細かく揺れる炎を表現するため振動効果を加えました。その違いはわかりましたか?

――ええ、キャラクターそれぞれの能力に合った特別な演出がされているという印象でした。

それはよかったです。そのように、さまざまな効果を演出するために、よりキャラクターや設定の細かい特徴を研究しているのです。

――4DXは“体験型アトラクション”という印象が強くあります。ファミリーや遊園地でデートするカップルなどの観客が来ることを目標とされていたのでしょうか。また、4DXをぜひ体験してほしいターゲットはいますでしょうか?

4DXはおもに20~30代の観客層をターゲットとしていますが、五感で体験を楽しみたい方であれば、老若男女問わず誰でも大歓迎です! 最高のリアル感を味わいたい方であれば、誰でも楽しめます。


誰もが驚く、とある4DX演出とは……!?

――これまで作業された作品の中で、いちばん思い入れの深い作品は何でしょうか?

『ワイルド・スピード SKY MISSION』です。いろいろな種類の車が登場するのですが、エンジンの音がすべて異なっていて、さらに車がスピードを出して走るアクションが多かったため、思ったよりもうまく行かず、何度もチェックと修正を繰り返しました。いままで演出した映画の中でもっとも手の掛かった作品ですが、そのぶん思い入れが深い作品でした。

――『ファンタスティック・フォー』でも、少しだけ『ワイルド・スピード』シリーズのようなカーアクションシーンがありましたね。あのシーンだけでも大迫力の演出がされていて大興奮でした! やはり、4DX効果の中でもっとも人気があるのは、そうしたアクションシーンでの演出なのでしょうか。

どれが人気というより、映画や人によって好きな効果が違ってくるのが4DXの面白いところだと思います。

ジャンルや映画の内容によって効果が最適化されることはご存知ですか? 例えば、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の場合、ジープが走るシーンが多いので、それに合わせた振動効果とモーションチェアーの動きがもっとも多く使われているようになっていて、お客様の反応もよかったんです。

ほかにも、空を飛ぶシーンが多い映画では当然風の効果が多くなりますし、ホラー映画の場合は足や耳の後ろから風を噴出する効果が映画のリアル感を最大限に引き出します。映画の中のシーンで何かがスッと目の前を横切る時、風でシュッと足首を触れると、お客様はみんな本気でビックリするんですよ(笑)

――ズバリ、4DXの魅力を教えてください!

Theater

4DXシアター全景

4DXは、ほかのジャンルでは絶対にできない体験を可能にしてくれます。映画は、いままでは単に座って観るというものでしたが、4DXでは五感でエンターテインメントを味わえるようになったのです。

自然な五感の体験を通すことで、100%完全に映画の中に引き込まれることができ、空を飛ぶシーンを見ているだけでなく、風が吹き、椅子が揺れながらそのスリルをそのまま味わえるので、もっと記憶にしっかりと残るというのが4DXのいちばんの魅力です。

また、4DXは画面の外の刺激まで表現が可能です。例えば、恐怖感を増すために画面では見えないある存在が「ガオー」と叫ぶとき、椅子がガタガタと震えながら振動を与えるので、画面の外の存在を実感することができるのです。ただ、言葉で言ったところで、すべてを表現できませんね! 4DXは一度見て体験すると、その魅力がはっきりと分かるはずです



4DXはコロナワールドほかにて、全国で展開中です。技術者の方たちが仰ったように、4DXは「一度体験しなければわからないもの」! ぜひ、現在公開中の『ファンタスティック・フォー』はもちろん、これから期待している作品で、4DXを味わってみてください。

[関連リンク]
4DX公式サイト
『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド』公式サイト
『ファンタスティック・フォー』公式サイト

(C) 2015 MARVEL & Subs. (C) 2015 Twentieth Century Fox
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