新しい文化を受け入れるだけでなく発信する美術館
横浜美術館は、1989年にみなとみらい地区にオープンした美術館です。
横浜美術館 外観 撮影:笠木靖之
建築家の丹下健三による建物は、美術館の理念である「みる」「つくる」「まなぶ」の3つのエリアに分けられています。「みる」エリアは展覧会場である展示室や入口正面のグランドギャラリーなどを、「つくる」エリアは子どものアトリエや市民のアトリエを、「まなぶ」エリアは10万冊以上の蔵書を誇る美術情報センターを指します。つまり、横浜美術館は観賞だけでなく、美術を多方向で楽しめる場所なのです。
ジャンルを横断した展覧会が多数
横浜といえば、海外との交流があったり、近代的なものが数多く生まれた場所というイメージがありますよね。横浜美術館では、どのような作品を見ることができるのでしょうか。
グランドギャラリー 撮影:笠木靖之
横浜美術館の展覧会は、内容を企画した「企画展」と、美術館が所蔵する作品を見せる「コレクション展」に分かれます。どちらも年3~4回展覧会が変わります。
展示室 撮影:田中雄一郎
いくつかの美術館の方針をもとに、横浜美術館は作品をコレクションしています。大きな特徴として、横浜は開港の地であるため、開港以来の時代、つまり近現代の美術作品を収集しています。セザンヌ、ダリ、ピカソ、マグリットなどから、藤田嗣治、横山大観、森村泰昌、奈良美智まで、国内外の作家による作品を見ることができます。同時に商業写真発祥の地ということで、日本に写真が入ってきた時代から現代までの写真作品を手厚く集めています。また、1920年代前後におこったシュルレアリスムや、下村観山ら横浜ゆかりの作家の作品なども見ることができます。