パブリシティとしての結婚
話をジミ婚に戻して、派手好きな筈の芸人たちの結婚式が、なぜ全体的に質素なもの、あるいは全然やらないという方向に進んでいったのでしょうか? おそらく昭和の時代と今とでは、結婚する年齢に開きが出てきたからじゃないかと思います。昔よりも高齢の独身者が増え、それにしたがって結婚の年齢も当然上がります。しかし単純に考えて歳を重ねたほうが収入も増加し、結婚式にも充分お金がかけられそうな気もします。
そこが逆転しているのには、芸人独自のポリシーが大きくかかわっています。その昔、若くして結婚を考える若手芸人は、例えテレビで売り出し中だったとしても、まだまだ上を目指そうという野望を抱いていた筈です。そのために派手な結婚式をパブリシティの一環として、有効活用していたはずです。
結婚にも笑いにも様々な形が
ところが結婚年齢が上がっていくと、それまでに結構な位置を確保してしまう芸人が多くなります。もちろん、そこからさらに上を目指す面々も少なくないようですが、そんな彼らは一様に独身生活を守っているようです。冒頭に記した最近結婚した面々を見返していただきたいのですが、いずれも売れっ子でありながら、さらに一段上を目指す攻めの気持ちよりも、今の地位を長く守り続けたいという思いが感じられるんですね。こういった守りの気持ちが強くなった時に、改めて結婚を考えてしまうのが、今の芸人の傾向なのかもしれません。
なんだか芸人の結婚を非難しているみたいですが、千原ジュニアを例に挙げると、ジャックナイフの笑いもあればバターナイフの笑いだってあると思います。むしろこれからは後者の笑いの方が広く支持される予感がするのは、当ガイドだけでしょうか?