アドバイス1 支出の把握が家計改善の第一歩
家計の改善にはいろいろな手段がありますが、その第一歩となるのは家計の把握です。そこに改善のポイントがあるからです。匿名希望さんの場合、ここ半年赤字とのことですが、データだけで判断すると、計算上毎月10万円超の黒字となるようです。単なる記入漏れにしては大きな額ですし、何にどのくらい使ったのかを理解できていないのであれば、むしろ問題なのは、この点かもしれません。まずは、現状の家計収支をしっかりと把握しましょう。
基本はきちんと記録していくことですが、お金の流れは毎日。慣れるまでは意外と大変かもしれません。基本はレシートを必ず持ち帰り、整理、集計する。レシートの残らない支出、たとえば口座引き落としの支出は、引き落としのお知らせを保管したり、通帳で管理します。友人との外食やお祝い金などは、忘れず金額をメモしておく習慣付けが大事です。
「半年間は赤字で推移」とのことですから、少なくともその間は収入以上にお金を使っているわけですね。イレギュラーな支出もあったでしょうが、今後もそういう支出はあるはず。ともあれ、家計収支を明確にすることが赤字改善の第一歩です。
アドバイス2 最大の強みは「看護師」であること
家計支出が明確になれば、次は「使い方」のチェックです。「削れる部分はない」と思われるかもしれませんが、赤字であるならば支出に優先順位を付けて、必要性の低いところから手を付けていきます。まずは赤字を出さない家計を目指し、できれば児童手当分は貯められようにしたいところです。支出カットと同時に考えたいのは収入アップです。しかも、お子さんは3歳と1歳。これから教育費が発生していきますから、しっかり準備していく必要があります。
ただし、それに対しては、すでにご主人が「副業」を始めたとのこと。収入は月5万円とのことですが、これが継続されるなら家計にとっては大きなプラスです。しかし、注意も必要。家計に余裕が生まれた分、支出も増えてしまっては何の意味もありません。収入アップでも生活水準を無意味に上げることなく、全額貯蓄に回すくらいの意識を持ちましょう。
もうひとつ、匿名希望さん自身にも大きな強みがあります。それは「看護師としてフルタイムで働く予定」という部分。資格があり、ニーズのある職種であることに加え、給与水準も平均的に高いですね。
具体的な収入は推測の域を出ませんが、家計は一気に改善することでしょう。家計管理さえできていれば、おそらく、年間200万円程度の貯蓄は十分可能ではないでしょうか。仮に20年勤務すれば、計4000万円。お子さん2人の教育費を含めた子育て費用1000万円×2人分を差し引いても2000万円。希望されている住宅購入も現実味を増してきます。
アドバイス3 住宅購入は貯蓄ペースがしっかりつかめてから
その住宅購入ですが、希望は「3年以内」とのこと。しかし、よりリスクを抑えるなら、もう少し待ってもいいと思います。奥様が看護師として働くのが、 次男の方が幼稚園入園時ということですから、3年後。それまでパートで働かれるとのことですが、フルタイム勤務になり、世帯収入と貯蓄ペースをしっかりつかんでから、より安全な住宅ローンの計画を立てるのも遅くはないと思います。あと、保険についてですが、奥様がフルタイムで働かれるようになったら、家計を確実に支えますから、奥様の死亡保障を引き上げておくことも検討してみてください。
もうひとつ、教育費について。「大学以上は奨学金で行ってほしい」とありますが、もし最終的に子ども本人が学費を負担するにしても、いったんは出して差し上げる必要もあるでしょう。そういう意味においては、全額でなくてもいいので、たとえば、児童手当を全額貯めれば、1人約200万円になります。それだけでも用意してあげてはどうでしょうか。
教えてくれたのは……
八ツ井慶子さん
取材・文/清水京武
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