出産前にしっかり貯めたいのですが、ポイントは何でしょうか?

これからのマネープランをどうしたらいい?

これからのマネープランをどうしたらいい?

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回は結婚して間もない25歳の会社員女性。出産までの資金づくりなどに悩みに、ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんが回答します。
※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください。(相談は無料になります)

■相談者
はなさん
女性/会社員/25歳
山口県/賃貸住宅

■家族構成
夫(会社員/33歳)

■相談内容
夫33歳、妻25歳の新婚夫婦です。今後2~3年以内に子どもを欲しい(2~3人)と考えていますが、子どもを育てるお金を今のうちになるべく貯蓄していくことを考えると、今の生活ペースでいいのか不安に思っています。また、夫は財布や通帳にあるだけお金を使ってしまうのですが、どう対策したらよいのでしょう?(過去に借金したこともあり、あまり厳しくすると…)

■家計収支データ
「はな」さんの家計収支データ

「はな」さんの家計収支データ


■家計収支データ補足
(1)ボーナスの使いみち
夫は未定(昨年まで借金返済)。妻は15万円貯蓄、15万円は本人のおこつがい

(2)貯蓄のこれまでの経緯
結婚を意識し始めた頃より、お互いに貯蓄するように決めた。それまで夫は貯蓄はなし(借金あり)。妻はいくらかあり。結婚式までに100万円貯めた。その後、挙式と新婚旅行でほぼ全額使い果たしたが、結婚後の貯蓄と結婚の親からの祝い金(60万円)が入り、現在の貯蓄残高になった。夫は過去にスロットにはまり散財していたとのこと。

(3)住宅について
子どもができたら本格的に購入を検討する予定。
収入を考えると「中古住宅で、高齢になっても住めるように平屋建てがいいね」という漠然とした希望はあるものの、現時点では、価予算も含め、具体的な話はしていない(それがあれば貯蓄に張り合いも出るとは思っている)。ちなみに、夫の実家がすぐ近くにあり、母親が一人暮らし。ただし、同居の可能性も、引き継ぎ、住むという可能性もないとのこと。

(4)出産後
妊娠したら産休を申請し、最長でも1年後には職場復帰をしたいと考えている。

■FP深野康彦からの3つのアドバイス
アドバイス1 毎月の貯蓄をまずは10%アップ
アドバイス2 ライフプラン実現にはご主人の協力が不可欠
アドバイス3 住宅購入を貯蓄のモチベーションに

アドバイス1 毎月の貯蓄をまずは10%アップ

将来を考えた場合、今の貯蓄ペースで大丈夫かというご質問ですが、もう少しのペースアップが望ましいですし、それができる家計だと思います。

心配されているとおり、出産から幼稚園、保育園まで、家計は厳しくなります。幸い、はなさんの場合、育児休暇が取れるとのことですから、その間、会社から給与が支給されるかどうかは不明ですが、職場復帰ということで、おそらく国からの「育児休業給付金」を受給できる条件は満たしているはず(※)。何より、出産の1年後にまた正社員として働けるのは大きなメリットです。

では、具体的にどの程度貯めていけばいいでしょうか。現在、ボーナスを除くと、年間の貯蓄ペースが138万円。これをまずは10%アップ、年間150万円を目指してください。2年後に出産と仮定すると、そのときまでに300万円が上積みされ、貯蓄額は380万円。出産費用等に80万円を充てれば、出産後も300万円は手元に残ります。

また、ボーナスの貯蓄分は現在奥様が年間15万円。ご主人のボーナス分は昨年まで借金返済に充てていたとのことですが、今年からは貯蓄に回せるのでしょうか? 回せるのなら、2人合わせて年間20万円も可能なはず。これで出産後の家計にさらに余裕が生まれます。

アドバイス2 ライフプラン実現にはご主人の協力が不可欠

貯蓄のペースアップを実現するには、家計の見直しが必要です。支出費目で気になるのは趣味娯楽費、家族のこづかい、雑費。この3つの支出費目の合計が6万3000円、家計支出の28%を占めています。この部分を再度見直し、少なくとも1万円を捻出してみましょう。わずか1万円でも継続すれば大きな蓄えになります。

教育費の準備については、進路によってかかる金額は当然違ってきます。まずは、児童手当を教育資金用として積み立てます。0歳から中学卒業までで合計198万円。別途、1万円を積み立てれば、こちらは18歳までに216万円。高校まで公立であれば、事前に用意すべきは大学費用となります。私立文系で卒業までに学校にかかる費用は390万円ほど。入学時に全額が用意ができます。

お子さんを2人ないし3人希望とのことですから、かかる費用も2倍、3倍となります。奥様が継続して正社員として勤務できるかが、大きなカギとなります。

しかし、教育資金づくりも、この後に触れます住宅購入でも、奥様の力だけでは不十分です。やはり、ご主人の家計への協力が不可欠でしょう。したがって、ご主人が「あればあるだけ使ってしまう」という点、また、かつて借金をされたことなど、気になるのは当然です。

今後マネープランがとても重要になることを話した上で、ご主人が現在、何にどれだけ支出しているか、上手に聞き出してみてください。奥様がいくら頑張っても、そこが不透明では、希望するライフプランは実現しません。

アドバイス3 住宅購入を貯蓄のモチベーションに

住宅購入については、大きなポイントがあります。はなさん自身が言われている「住宅購入で貯蓄に張り合いが出る」という部分。実はここが大事。貯蓄は一般的に節約をともなうため、そもそも楽しいものではありません。しかし、モチベーションがあれば、それも楽しさやがんばろうという意欲に変わるからです。

では、モチベーションを上げるための、具体的な購入プランに考えてみましょう。
ここで重要なことは、返済可能額から物件価格を割り出すということ。目安となるのは現在の家賃+駐車場代です。それを超えない範囲であれば、返済に無理がないと考えられます。ここでは、その目安と6万~6万5000円とします。

次にローンの返済プランですが、ご主人40歳のときに1000万円を借り入れるとします。60歳までには完済したいので、返済期間は20年。金利上昇を考慮して、固定金利2.5%で試算すれば、毎月の返済は約5万3000円。5年後の45歳で購入なら返済期間は15年となり、約6万7000円(ともにボーナス払いなし)。つまり40歳~45歳に購入なら、1000万円が無理のない借り入れのおよその上限ということになります。

実際の物件ですが、中古で平屋という選択肢なら、築年数などの諸条件にもよりますが、総じて価格はこなれているはず。

ただし、購入すれば諸経費として別途100万円、さらに手元に備えとして200万円は少なくとも残しておきたい(ただし、教育資金として貯めている貯蓄は除く)。したがって、貯蓄から300万円を差し引いた額が住宅購入の頭金となります。仮にご主人が40歳代半ばまでに800万円貯められれば、頭金は500万円。借入額と合わせて、1500万円までの物件であれば購入可能ということになります。

(※)職場復帰に加え、職場で雇用保険に加入、育児休業開始前の2年間に賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12ヵ月以上などの要件がある。

「はなさん」から寄せられた感想

アドバイスありがとうございます。まずは貯蓄を10%アップということは無理なくできそうです。と、同時に、その10%は今まで無駄なお金だったんだなと気づきました。子どもも「2~3人かな」と漠然とした考えだったので、深野先生のおっしゃるように「かかるお金は2倍、3倍になる」ことを頭に入れて計画していきたいです。「出産後も正社員として働けるのは大きなメリット」と聞いて、今の環境は恵まれていることに気づきました。仕事上ではまだまだ未熟な立場なので、出産後も仕事に復帰し、求められる人材になれるように今の仕事をしっかりこなして実績を作っておきたいと思いました。具体的な住宅購入プランを教えていただいたので、これを参考に子育て資金も併せて、夫婦で計画を立ててみたいと思います!

教えてくれたのは……

深野 康彦さん

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業界歴26年目のベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

取材・文/清水京武 




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