キャラクターの個性が際立つ3作品
『ヴィジット』(2015年10月23日公開)休暇に祖父母の家に遊びに行くことになった姉(オリビア・デヨング&エド・オクセンボウルド)。母が若い頃、家出をしたきり帰っていないので、二人は祖父母と初対面です。最初は楽しい時間を過ごしたものの、次第に祖父母は奇妙な行動をとるように……。
『シックス・センス』で一世を風靡したシャマラン監督ですが、それ以降、作品を発表しても正直イマイチ感があり、失速は否めませんでした。ところが『ヴィジット』で復活の兆し!
映画監督志望のヒロインが祖父母との休暇をドキュメンタリーにしようと、ずっと撮影。その映像がそのままこの映画の映像になっています。恐怖描写がストレートゆえ、怖さもダイレクトに伝わって“ひっ”と声をあげそうに……。ところどころにユーモアも散りばめられ、怖くて不気味で楽しい恐怖映画に仕上がっています。シャマラン復活、うれしい限りです。(公式サイト)
監督:M・ナイト・シャマラン 出演:キャスリン・ハーン、ディアナ・ダナガン、ピーター・マクロビー、エド・オクセンボウルド、オリヴィア・デヨング
『アクトレス~女たちの舞台』(2015年10月14日公開)
大女優(ジュリエット・ビノシュ)が若き日に演じた舞台の依頼を受け、共演の若手女優にとまどったり、マネージャーに励まされたりしながらも、舞台に臨む姿を描く女優の業を描いたフランス・スイス・ドイツ合作映画。
ジュリエット・ビノシュが大女優、クリステン・スチュワートがマネージャー、クロエ・グレース・モレッツが若手女優を演じています。ベテランを乗り越えようとする若手女優、若くない事を自覚しながらも、女優としてのレベルアップを模索するベテラン女優のぶつかり合いはヒヤヒヤしますが、目が離せません。問題児を演じたクロエの先輩への配慮のなさは本当に腹立ちましたが、それだけ彼女の演技が良かったのでしょう。(公式サイト)
監督:オリヴィエ・アサイヤス 出演:ジュリエット・ビノシュ、クリステン・スチュワート、クロエ・グレース・モレッツほか
『ヴィヴィアン・マイヤーを探して』(2015年10月10日公開)
シカゴの青年がオークションで手に入れた大量のネガ。その一部をブログで発表したら、人々から熱狂出迎えられました。撮影者はヴィヴィアン・マイヤー。すでに故人で仕事は住み込みの乳母でした……。
監督は、そのネガを手に入れて公開したジョン・マルーフ。彼はヴィヴィアンの足跡を追いかけて、その人物像をこの映画でくっきりと浮かび上がらせます。そこには孤独で変わり者のひとりの女性がいました。彼女は写真を通して他者とコミュニケーションを取っていたのです。作品に映るすべての人が彼女の心の支えだったのかも……。そんな風に写真好きなひとりの女性の人生を立体的に感じさせる傑作ドキュメンタリーです。(公式サイト)
監督:ジョン・マルーフ、チャーリー・シスケル
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