とりあえず塾に通ってみれば?
「子育てに対するスタンスは夫婦で違っていていい。無理に合わせなくていい」と私は常々言っていますが、でも決断しなければいけないときもあります。たとえば、中学受験をするかしないか。中学受験に迷ったら、どうすべき?
成長著しいアジア諸国の子供たちは小学生のうちからガッツリ勉強しています。イギリスやアメリカでも、将来社会のリーダーになることを目指す子供たちは小学生のうちからかなりハードな勉強をしています。当然塾にも通います。
インドの公立小学校の算数の教科書には、日本の中学受験用問題集の基本問題レベルの問題が普通に並んでいます。それくらいは日本の小学生もみんなやらなきゃいけないだろうと思います。現在の小学校の勉強では、基本的な知識を教えてもらうだけで、実際にそれを活用する訓練が圧倒的に足りていません。
塾に通うのとテレビを見るのとどちらが有効?
中学受験塾に通ったからといって、いきなり夜中まで勉強させられるわけではありません。最初から明確な目標を持ってガツガツやっているご家庭もありますけど、4年生ならだいたいどこの塾でも週2回。特に最初のころは慣らし運転みたいなものです。ちなみに6年生になったって睡眠時間を削ってまで受験勉強する必要はありません。そういうご家庭がないわけではありませんが、塾の先生たちはそろって、「中学受験のためにそこまでする意味はない」と言います。実際、中学受験をする予定の小学5・6年生の平均睡眠時間は約8時間10分であるというデータもあります。ちょうどいい睡眠時間です。
また、子供たちの放課後の時間の使い方を調べたデータもあります。それによると、習いごともせず、塾にも通わない子供は、テレビ画面を見て過ごす時間が1日約111分もあるとのこと。これは、塾に通っている小学生が塾で勉強する1日当たりの平均時間である約97分を大きく上回ります。塾に通っていない子供は、塾に通う代わりにテレビを見て時間を消費しているのです。
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