Point1 デッキの使い方、過ごし方を明確にする
新築やリフォームの際に、ウッドデッキを設けるケースも多くみられるようになりました。さまざまな樹種の素材、エクステリア建材などの商品も豊富に揃っているので、自由にプランニングすることも可能です。比較的取り入れやすく身近なウッドデッキプランは、LDKからつなげた空間でしょう。2~4畳程度の広さを確保し、居室(ウチ)と屋外(ソト)をつなぐ、濡縁や縁側のようなスペース、セカンドリビングとして設けるケースも多いようです。
ウッドデッキを有効活用するには、設置する目的に適したプランニングとすることが大切です。過ごし方や使い方を明確にして、使い勝手や居心地を検討するようにしましょう。たとえば、「休日に、家族で朝食をとりたい」「友人を招いてバーベキューをしたい」「趣味のガーデニングを楽しみたい」「子供が遊ぶ場所にしたい」「ペットの居場所にしたい」など、具体的にイメージして、目的に合わせて、設置場所や広さなどを考えていくことが大切です。
食事やお茶を楽しめるゆとりの空間に。階段状のデッキプランはデザイン的にも美しく使い勝手もいい。 [樹ら楽ステージ] LIXIL
Point2 使い方に合わせた広さやデザインを検討する
ウッドデッキの広さは、プランニングによってさまざまですが、幅1間~2間(約1.8m~約3.6m)、出幅6~7尺(約1.8m~約2.1m)程度が多くみられるようです。小ぶりのテーブルと椅子を置くことができる広さぐらいなので、「休日に、家族で朝食をとりたい」という希望であれば、広さに適した家具を揃えることで、心地のよいスペースとなるでしょう。「友人を招いてバーベキューをしたい」のであれば、もう少し広さに余裕を持たせた方がいいかもしれません。家庭用の遊具や子供用のプールなどを置いて「子供の遊び場にしたい」場合は、それらを置いて、周辺にある程度のスペースが生まれるぐらいの広さを確保しておくこと。デッキに高さがある場合は、安全面に考慮して、手すりなども設けておくことも必要でしょう。
一般的には、四角の形状のプランが多くみられますが、縁側のような横に長く設けて、くつろぎのスペースと趣味のスペースを分けたり、庭や外観デザインに合わせて曲線を用いたプランもいいでしょう。
また、高さも使い勝手に大きく影響するものです。建物本体の床面と同じ高さにすることで、行き来がしやすくなりますが、地面からの高さとの兼ね合いもありますので、使い方に合わせて設定を。縁側のように、腰を掛けることができるようにしておくと、作業中に休憩することもできて便利です。ある程度の高さがある場合は、ステップを設けたり、階段状にデッキをプランニングするのもいいでしょう。
Point3 プライバシー確保への配慮を忘れずに
リビングからつなげてデッキを配置。視線を遮るパーテーションを設けて開放的に。[リウッドデッキ 200 FD] YKK AP
注意したいのは、囲い過ぎて閉鎖的な空間となってしまうこと。たとえば、光を通す面材を使用したパーテーションであれば、圧迫感を感じることも少ないでしょうし、格子やスリットなどのタイプであれば、プライバシーを守りつつ、風や光を取り込むことができるので、心地よいスペースが生まれるでしょう。エクステリアメーカーの商品には、エクステリア全体とトータルコーデイネートできるタイプも増えており、プランニングもしやすくなっています。
Point4 夏場の強い日差しを考慮して
アウトドアでの時間を過ごす際に、注意したいのは日差し。最近では、夏の厳しい猛暑もあり、快適なスペースをつくるのは難しいかもしれませんが、南側に設置されることの多いデッキスペースは、日差しを遮り、風が通るような工夫を施すことで心地よさは高まるでしょう。日除けとしては、一般的なのはオーニングです。横に広がるだけでなく、簾のように縦に下がるタイプなど、さまざまなスタイルが提案されているので、環境に合わせて組み合わせても。パーゴラを設けてつる性の植物をはわせたり、日除け(キャンバス地など)を設置する方法もあります。また、テラス屋根を設ければ、雨を遮ることも可能。日除けや屋根を設けることで、隣家の2階やマンションからなどの視線を遮る効果も期待できるでしょう。
日除けを設け、強い日差しを遮れば、夏場でも快適な空間に。 [ヴェクターウェイブ PLAN_1 H2] YKK AP
Point5 個室のように利用したいのならサンルームを組み合わせも
デッキスペースをよりプライベート空間としたいのであれば、サンルームを組み合わせてもいいでしょう。メーカー商品には、個室のようになるタイプだけでなく、屋根と一部分に壁を設けるなど半戸外的なスペースを生み出すことができるタイプもみられます。個室のようなスペースが実現できるタイプでも、扉がすべてオープンとなるものや、腰まで壁となっているタイプなどもありますし、扉の開閉方法もさまざま。空間の使い勝手、デッキにつながる建物本体の間取りに合わせて、プランニングすることが大切です。
開閉できる折戸パネルを設ければ、用途や季節にあわせて、さまざまな楽しみ方ができる。[ガーデンルーム エクシオール ジーマ] LIXIL
Point6 照明を設けて、夜のくつろぎや演出を
夜もゆっくりとウッドデッキでくつろぎたい、という場合は、手元が明るくなるような照明を検討しておきたいもの。建物本体の外壁に設けてもいいですし、パーゴラなどに組み込んでもいいでしょう。また、実用的な照明だけでなく、室内からの眺めを楽しむために、演出用の照明をデッキに組み込んでも。ライトアップしたり、植木などを照らすライトを設けることで、雰囲気を高めることも可能でしょう。Point7 ガーデニングには、スロップシンクや収納も
ガーデニングなどを楽しむのであれば、作業用のテーブルや収納、棚やベンチなどを造りつけたり、置くことができるようなスペースを確保しておくことも必要です。ガーデニング作業には、水道やスロップシンクなどを設置しておくと使い勝手がいいものです。また、プランターを置いたり、ハンギングができるようなフェンスやパーゴラなどを設けておくと、演出もしやすいでしょう。リビングなど室内からも育てた草花を楽しむことができるようにプランニングしておくことも大切です。
ウッドデッキは、ライフスタイルに適したつくりや使い方によって、豊かな時間を生み出す魅力的なスペースです。新築やリフォームの際には、建物本体の間取りを検討するのと同じように、ライフスタイルや家族構成に考慮して、プランニングを進めるようにすることが大切でしょう。
【関連記事】
- ウッドデッキは目的や動線に配慮してプランニングを
- ウッドデッキ種類と特徴&メンテナンスの注意点
- 樹脂(人工木材)デッキの特徴&プランニングの注意点
- 居心地のいいサンルームをつくるための 7つのポイント
- サンルーム商品の特徴と選び方/広さ、扉、屋根材etc.
- 居心地のよいテラスをつくる6つのポイント
- テラス屋根の種類と特徴&選び方のポイント
- 戸建住宅のベランダ&バルコニープランのコツ
- 快適さを実現する ベランダ&バルコニーの種類と特徴
- 日差しを遮り省エネに!オーニング&スクリーンの特徴
- オーニング、ルーバーetc. 日差しを遮る外まわり建材
- オーニングの種類と特徴&選び方のポイント
- エクステリア(外構)プランの考え方、7つのポイント
- エクステリア空間に必要な建材商品の種類と特徴
- オープン外構とクローズド外構のメリット・デメリット
- 小さな家での暮らしのエッセイ ~ウッドデッキとつながった洗濯物干し場~
- 小さな家での暮らしのエッセイ ~バルコニーで朝食を~