漢方・漢方薬

生理周期でわかる!漢方的な生理痛対策

漢方では、月経トラブルは周期・期間・経血量・色・質・痛む時期・痛みのタイプなどさまざまな角度から判断してその人に合った対策をします。そのなかでも今回は「生理周期」でわかるタイプと漢方薬をご紹介しましょう。

杏仁 美友

執筆者:杏仁 美友

国際中医師 / 漢方・薬膳料理ガイド

月経の周期は、通常28日をベースに前後7日間くらいは正常の範囲とされます。漢方では、周期がそれより早くくるか遅くくるか、それとも不定期なのかでタイプを分けることができます。

月経周期が早い(通常より1~2週間早い)

補中益気湯は、月経早期以外にも元気不足や食欲不振によく用いられる

補中益気湯は、月経早期以外にも元気不足や食欲不振によく用いられる

虚弱体質(脾腎気虚)タイプ
もともと虚弱な体質だったり、病気や過労などで経血をコントロールする機能が弱まる。経血量が多く、色はうすい。倦怠感があり、お腹や子宮が下に落ちるような感覚がある。代表的な漢方は補中益気湯(ほちゅうえっきとう)。

加齢(腎気虚)タイプ
脾腎気虚タイプと症状は似ているが、経血量は少ない。めまいや耳鳴り、足腰がだるいなどの症状があり、尿の回数が増えるのも特徴の一つ。固陰煎(こいんせん)が有名だが、六味地黄丸(ろくみじおうがん)をまず試しても。

ほてり(陰虚血熱)タイプ
カラダに必要なうるおい分が不足していて、虚熱(ほてり)が生じる。経血量が少なく、色が赤く、質も濃いのが特徴。口やのどが渇き、頬のみが赤くなる。両地湯(りょうじとう)がオススメ。クコの実やスッポンなどもうるおい不足によい。

イライラ(肝うつ化熱)タイプ
ストレスなどの気のうっ滞が熱を生み、経血をコントロールする機能が弱まる。経血量は多かったり少なかったりまちまちで、血の塊が出ることもある。月経前に胸が張り、イライラして怒りっぽくなる、口が苦いなど。加味逍遥散(かみしょうようさん)が代表薬。

熱(陽盛血熱)タイプ
暑がりだったり、暴飲暴食などで熱がこもり、経血をコントロールできなくなる。経血量が多く、色がどす黒い。口が渇いて冷たいものを欲しがり、便秘がち、赤ら顔の人が多い。清経散(せいけいさん)などで余計な熱をさまし、月経バランスを整える。

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