『SUPER GIFT!』9月12~27日=東京国際フォーラムホールC、10月3~8日=梅田芸術劇場メインホール ←観劇レポートUP!
『コーラスライン』9月19日~11月23日=自由劇場
『CHESS』9月27日~10月12日=東京芸術劇場プレイハウス、10月19~25日=梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ←観劇レポートUP!
【10月開幕の注目!ミュージカル】
『working』10月1~4日=新宿村LIVE←観劇レポートUP!
『十一ぴきのネコ』10月1~17日=紀伊國屋サザンシアター←観劇レポートUP!
『プリンス・オブ・ブロードウェイ』10月23日~11月22日=東急シアターオーブ、11月28日~12月10日=梅田芸術劇場メインホール←稽古&観劇レポートUP!
【All Aboutミュージカルで特集予定、もしくは特集した注目ミュージカル】
『サウンド・オブ・ミュージック』上演中 Star Talkにて出演・村俊英さんインタビューを掲載!
『ラ・マンチャの男』9月2日開幕(大阪)10月4日開幕(東京)Star Talkにて出演・霧矢大夢さんインタビュー&観劇レポートを掲載!
『TOP HAT』9月30日開幕 ミュージカル・スペシャルインタビューにて主演俳優、演出家、振付家インタビュー、観劇レポートを一挙掲載!
『パッション』10月16日開幕 Star Talkにて出演・井上芳雄さんインタビューを掲載!
『HEADS UP!』11月13日開幕 気になる新星にて出演・相葉裕樹さんインタビューを掲載!
【東京国際映画祭で上映される、ミュージカル・ファンにお勧めの映画】
『ジャイ・ホー~A.R.ラフマーンの音世界』10月24日=新宿バルト9シアター3、10月28日=TOHOシネマズ六本木ヒルズSCREEN9、10月30日=TOHOシネマズ六本木ヒルズSCREEN2←鑑賞レポートをUP!
【Pick of the Month OCTOBER 10月の注目作】
『プリンス・オブ・ブロードウェイ』
公開稽古で『くたばれヤンキース』の小悪魔のナンバーをセクシーに歌う柚希礼音さんは、他のナンバーでも伸びやかなダンスを見せてくれます。(C)Marino Matsushima
60年以上の長きにわたり、ブロードウェイの第一線で活躍し続ける演出家ハロルド・プリンス。『オペラ座の怪人』『屋根の上のヴァイオリン弾き』『キャバレー』をはじめとする彼の代表作の数々をコラージュし、『オペラ座の怪人』等で世界的に人気のラミン・カリムルーら最高のキャストが披露するという、夢のような公演が実現しました。もともとはアメリカで立ち上がった企画でしたが、プリンスの弟子である演出家ダニエル・カトナーの日本との縁がきっかけとなり、初演はここ、日本。宝塚歌劇団を退団した柚希礼音さんも出演することで、ブロードウェイがぐっと身近に引き寄せられ、「ミュージカルの歴史を作ってきた人物」の世界が堪能できそうです。
公開稽古中のハロルド・プリンス。(C)Marino Matsushima
NYでのリハーサルを経て東京へとやってきたカンパニー。リハーサル室に入ると俳優たちはおのおのリラックスしながらウォームアップ、中央ではラミンとケイリー・アン・ヴォーヒーズが『オペラ座の怪人』シーンをさらっています。まだ朝といっていい時間なのに、部屋に響くケイリーの心洗われるような歌声。それを受けて登場するラミンが演出席のプリンスに「僕の出(登場)はこういう感じでいいんですか?」と確認すると、プリンスはフットワーク軽く立ち上がり、眼光鋭くチェックしながら細やかに指示しています。
『キャバレー』のナンバーを生き生きと歌う若手俳優ジョシュ・グリセッティ。(C)Marino Matsushima
シュラー・ヘンズリーは愛嬌あるテヴィエ(『屋根の上のヴァイオリン弾き」)を披露。(C)Marino Matsushima
『くたばれヤンキース』でトニー・ヤズベックを相手に堂々と歌い踊る柚希礼音さん。(C)Marino Matsushima
『オペラ座の怪人』「Music Of The Night」で最後の一音まで丁寧に、繊細に歌い上げるラミン・カリムルー。(C)Marino Matsushima
トニー・ヤズベックの迫力のダンスは必見。(C)Marino Matsushima
【『プリンス・オブ・ブロードウェイ』観劇レポート】
“ブロードウェイを切り拓いてきた人物”の偉業を
最高のキャストで振り返る、奇跡の舞台
『プリンス・オブ・ブロードウェイ』冒頭「All I Need Is One Good Break」撮影:RYOJI FUKUOKA(GEKKO)
先日のリハーサルではマイク無しだったため、歌声の微細な部分まではとらえきれませんでしたが、マイクを通して聞いてみると、スターたちが一曲の中で実に豊かに、歌詞に表情をつけ、物語を演じていることに気づかされます。特に「Tonight」(『ウェストサイド・ストーリー』)で、溢れ出す思いをマリア役ケイリー・アン・ヴォーヒーズ、そして観客に確実に伝えながら歌うラミン・カリムルーを見ていると、優れたミュージカル俳優とは洋の東西を問わず、音程が正確であるだけでなく言葉をしっかりと渡せる人であることを痛感。
『プリンス・オブ・ブロードウェイ』「Tonight」ラミン・カリムルーとケイリー・アン・ヴォーヒーズ 撮影:RYOJI FUKUOKA(GEKKO)
他にもドラムスの大音量を突き抜けるラミンの声が圧倒的な『オペラ座の怪人』、『フォーリーズ』でのトニー・ヤズベックの美声&ダンスと、パワフルなシーンが続出しますが、そんな中で時折登場する、皮肉交じりのナンバーには知的な味わいが。1幕でナンシー・オペルが“私が死んでもこの世は続く。だから何さ”と歌う「So What?」(『キャバレー』)や、2幕でエミリー・スキナーが“みんな意味の無い生き方をして、ある日死の恐怖におびえるのよ”と歌う「Ladies Who Lunch」(『カンパニー』)。これらはプリンスの心境、もしくは達観をいくぶん代弁してもいるようです。
『プリンス・オブ・ブロードウェイ』「Cabaret」ブリヨーナ・マリー・パーハム 撮影:RYOJI FUKUOKA(GEKKO)
*次ページで『CHESS』以降の作品をご紹介します!