『ヴィンセントが教えてくれたこと』と子役映画特集(2ページ目)

演技派の子役たち：男子編

『クレイマー、クレイマー』（1979年度作品）
妻ジョアンナ（メリル・ストリープ）に三行半をつきつけられたテッド（ダスティン・ホフマン）は、息子のビリー（ジャスティン・ヘンリー）と二人暮らしに。仕事しながら、慣れない家事育児を頑張るテッドだが、ある日、ジョアンナから養育権を訴えられて、闘うことになるのです。

ビリー役のジャスティン・ヘンリーがママがいない寂しさを乗り越えて、パパと二人三脚の生活に慣れていく様子がいい。パパの頑張りに息子も応えるみたいな。パパの一生懸命さが伝わっていたんだな……と胸アツになります。最初と最後に登場する父と息子でフレンチトーストを焼くシーンは、永遠に語り継がれる名シーンです。

ジャスティンは、しばらく学業優先していたけれど、卒業後は俳優に復帰。テレビドラマ「ブラザーズ＆シスターズ」など、地道に活動しています。

監督：ロバート・ベントン　出演：ダスティン・ホフマン、メリル・ストリープ、ジャスティン・ヘンリー



『スタンド・バイ・ミー』(1986年度作品)
行方不明の死体を探そうと、森へ入っていく少年4人の夏の日の大冒険を描いた、青春映画の傑作。

今は亡きリヴァー・フェニックスは、丸刈りでいきがってタバコを吸う、4人の中ではリーダー的存在。しかし、実は複雑な家庭に育ち、不良の兄に頭を悩ましているのですね。孤独をたたえた瞳が美しくて吸い込まれそうです！　また、優等生の兄の死を乗り越えられない少年（ウィル・ウィートン）や、勇気が空回りする少年（コリー・フェルドマン）、ちょっとノロまな太っちょくん（ジェリー・オコンネル）など少年4人の個性も際立ち、物悲しいラストにしみじみしてしまいます。

ちなみにリヴァー以外の3人は現在も俳優として活動中。コリーはドラッグ依存を克服してキャリアを立て直し、ウィルは声優業にも進出。ジェリーは大学卒業後に俳優業を再開。太目だったジェリーは、今ではダンディなイケメン俳優になっていて驚きです。

監督：ロブ・ライナー　出演：ウィル・ウィートン、リヴァー・フェニックス、コリー・フェルドマン、ジェリー・オコンネル、キーファー・サザーランドほか



『ギルバート・グレイプ』(1993年度作品)
家から出られないほどの巨体の母を持つ兄弟のうち、長男のギルバート（ジョニー・デップ）は、兄弟にとって父親的存在です。彼にとって一番の心配の種は、弟のアーニー（レオナルド・ディカプリオ）。彼は、知的障害があり目が離せないからです。でもギルバートは自由の無い日々に苦しみも感じ……という家族映画の秀作。


演技派スーパースターのレオナルド・ディカプリオが、アカデミー賞助演男優賞候補になった名作映画です。レオが19歳のときの作品なので子役というより青年かもしれないけど、でもアーニーはとても子供っぽい。レオはアーニーを演じるというより、アーニー本人としか思えない、困ったヤツだけど憎めない魅力で観客の心を掴みます。今でも語り継がれる若きレオの名演を堪能できる映画です。

監督：ラッセ・ハルストレム　出演：ジョニー・デップ、ジュリエット・ルイス、メアリー・スティーンバージェン、レオナルド・ディカプリオ


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