スタイリッシュなセダン×ステーションワゴン
ヨーロッパ市場ではかつて、5ドアハッチバックサルーンが人気を博した時代があった。セダンの汎用性は捨て難いけれども、積載量はある程度欲しい、というニーズに応えたもので、人気を博した結果、スタイリッシュなステーションワゴンへとカテゴリーが昇華されていった。
現在のステーションワゴンは、昔のように角張ったスタイルは皆無で、一様になだらかなエンドピラー(それゆえ荷室の使い勝手にはある程度の制約がある)をもつ。5ドアハッチバックセダンの発展進化したスタイルだ。
格好いいステーションワゴンが普通のワゴンスタイルに思えてくると、“もう少し格好重視”という、またまたわがままなニーズも誕生するものだ。メルセデス・ベンツが展開するシューティングブレークシリーズなどはその際たるもの。
CLSシューティングブレークは、ステータス性も高く、パワートレインも豊富で、何より抜群の存在感あるスタイリングを有する。スタイリッシュな“サルーンワゴン”として最もオススメであることは間違いないけれども、同じクラスのアウディA7スポーツバックやBMW5シリーズGTも、その完成度の高さでは勝るとも劣らない。特に5シリーズGTのグランドツーリング性能は、その名の通り、群を抜く。スタイル優先ではなく、たとえばVIPの送迎用に使うような場面などでは最高のクルマである。
コンパクトなモデルならシトロエンDS5という面白い存在がある。シトロエンのDSシリーズといえば、それこそクロスオーバーの権化のような存在で、どのモデルも既存のカテゴリーに収まり切らない個性的なスタイリングを有する。人とは違うクルマに乗りたいというなら、まずはDSシリーズを見に行ってほしい。ちなみに、長距離移動のパートナーとしてもDS4やDS5は極めて優秀で、ドイツ車よりも場合によっては疲れない。