デジタル一眼カメラ/デジタル一眼カメラ用レンズ・アクセサリを選ぶ

花とボケを楽しみたいたいならマクロレンズを使おう

花粉が見えるほどに大写しにされた花、あるいは複眼の一粒が見えるほどに大写しにされた昆虫の画像見たことがあるだろう。ああいった画像は『マクロレンズ』によって撮影されている。マクロレンズは他の交換レンズとは異なり、焦点距離で区分されたレンズではないのだ。

清水 博之

執筆者:清水 博之

デジタルカメラガイド

大きくきれいに写すならマクロレンズ

いくつもの種類があるデジタル一眼カメラ用交換レンズだが、その多くは焦点距離で分類されている(参考ガイド記事:デジタル一眼カメラの交換レンズ選びのポイント)。

しかし、「マクロレンズ」はやや事情が異なっている。マクロレンズの特性はマクロ、つまり被写体を大きく写せるということなのだ。
菜の花を大写しに撮影。おしべにピントを合わせたが、めしべはボケている。

菜の花を大写しに撮影。おしべにピントを合わせたが、めしべの先端はすでにボケている。


ただし、マクロレンズにも焦点距離はさまざまなものがあるが、そのあたりはまた後述。マクロレンズを使う時に気をつけたい部分から見ていこう。

レンズのスペックに「最短撮影距離」というものがある。コンパクトカメラではレンズの先から何cmまで寄れるというような数値になっていることが多い。しかし、デジタル一眼カメラの場合は異なる。撮像面、すなわちCCDやCMOSがある場所から何cmであるがレンズの最短撮影距離となるのだ。

右上に拡大したギリシャ文字のファイ(Φ)のような部分が「ここが撮像素子ですよ」というマーク。

右上に拡大したギリシャ文字のファイ(Φ)のような部分が「このラインに撮像素子がありますよ」というマーク。


レンズ先端からの距離は一般に「ワーキングディスタンス」と呼ばれる。特にマクロレンズのスペックを見る時には注意が必要だ。長いレンズではワーキングディスタンスが短くなり、取り回しがしにくくなることがある。
1が「ワーキングディスタンス」、2がレンズスペックの「最短撮影距離」

1が「ワーキングディスタンス」、2がレンズスペックの「最短撮影距離」


もうひとつ、レンズのスペックに「撮影倍率」という数字がある。要するにどれほど大きく写すことができるかという数字である。これが「1倍」であれば、撮像素子に等倍――すなわちフォーサーズであれば横幅17.3mmのものを画面いっぱいに、35mmフルサイズであれば横幅35mmのものを画面いっぱいに写すことができるということになる。

マクロレンズは総じて撮影倍率が高い。すなわち、被写体を大きく写せるというわけだ。まるで虫眼鏡で観察するかのような花の画像や、複眼の一粒まで見えそうな昆虫の画像を見たことがあるだろう。ああいった画像はマクロレンズで撮影されているというわけだ。

また、「ちょっとしたプロ気分が味わえる? 被写界深度とは?」で書いたように、背景ボケは被写体に近ければ近いほど綺麗に出る。マクロレンズは被写体を大きく写すことに加えて、背景ボケが出ることで幻想的な画像が得られるのだ。

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