ツボ・経絡

手の痺れを引き起こす「胸郭出口症候群」をツボで改善(2ページ目)

日常生活の中で手の痺れや肩周りの重だるさが気になることがありませんか?その症状は、「胸郭出口症候群」かも知れません。今回は胸郭出口症候群の症状や原因、セルフチェック方法などを踏まえ、東洋医学的観点から考える胸郭出口症候群と症状の改善に効果的なツボについてご紹介していきます。

山木 伸允

執筆者:山木 伸允

鍼灸マッサージ師 / 鍼灸療法・ツボガイド

胸郭出口症候群の症状改善に効果的なツボ

呼吸を正常にする効果がある中府

呼吸を正常にする効果がある中府

  • 中府(ちゅうふ)
「中府」は鎖骨の外側の端にある骨の突起(烏口突起)から指一本分下にあるツボです。ちょうど小胸筋の上に存在していることから、中府をマッサージすることで小胸筋のリラクゼーションの効果があると考えられます。

また、中府は肺の経絡(けいらく)に属するツボとされています。胸郭出口症候群の方では、手の痺れなどの症状以外にも呼吸の浅さが観察されることが多く観察されます。こうした場合はゆっくりとした深呼吸などを行い呼吸に関わる筋群を正常化することが大切ですが、中府は肺経に属するため呼吸器の状態を正常にする効果があると考えられています。

  • 気海(きかい)
全身の気を補充する効果があると言われる気海

全身の気を補充する効果があると言われる気海

東洋医学的な視点において呼吸は全身に気を運搬するための活動であり、呼吸が正常ではない場合、生命活動を行うためのエネルギーが不足する原因となると考えられます。

そのため、「気海」などをマッサージすることにより全身に気を補充することも症状の根本的な改善に役立つと考えられます。気海はおへそ指幅二本分下のところにあり、男性は左手を、女性は右手を下にしてマッサージを行います。

呼吸が適切に行われない場合、腹直筋は緊張または弛緩するなど正常に機能していないことが観察されることが多々あります。気海は腹直筋上に存在していることから、このツボへのアプローチは気の補充だけでなく腹直筋の正常な機能を回復させる効果があると考えられます。

こうしたツボへのマッサージに加え、深呼吸や首周囲の筋群へのストレッチングを合わせることで効果的に胸郭出口症候群への対処を行うことができます。ぜひ試されてはいかがでしょうか。

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