視点を変えて、視界を広げて「地方就職」
横一線に並んで始まる長い長い就職活動。自己分析からようやく探り当てた「自分の求めること(価値感)」なのに、気が付けばいつの間にか「誰もが望む就職先」へと押し流されている。疑問や違和感を置き去りにしたまま“決めきれない内定”に行き着く就活生は後を絶たない。ならば!思い切って視点を変えて、視界を広げて「地方就職」を選択肢の一つに加えてみる。地方創生が時代の波ならば、そこに一つの答えを見つけることが出来るかも知れない。地方就職の可能性を考えよう!
Uターン・Iターン・Jターン就職とは
●Uターン/地方から大都市圏に来た学生が地元へ帰って就職すること●Iターン/大都市圏出身の学生が地方で就職すること
●Jターン/地方から大都市圏に来た学生が地元以外の地方で就職すること
地方から大都市圏の大学に進学してきた学生の50%は、頭の片隅にUターンの言葉があるという。それでもなかなか本格的に動き出せないのは何故だろう?それは現状の「就活の仕組み・流れ・限られた情報」の中では、地方就活はどうしても皆と違うイレギュラーな動きをしなければならなかったからだろう。一斉に開催される大都市圏の有名企業の選考に呑み込まれたまま、気付けば時間だけを浪費してしまうことも多いのが現状だ。自分だけの就活の方向性をきちんと見据えて計画的に進めることが大切だ。
また、見知らぬ土地へのIターン・Jターンを希望する学生であれば、それ以上にいくつもの見えない壁もある。全く見当もつかない地方暮らしへの不安はもとより、ご家族に安心して同意をして貰うことなども含まれるでしょう。
「就活の仕組み・流れ・情報収集」を克服していくためには、地方新聞社の就活サイトを始め各大学のキャリアセンターが主な窓口となっているが、この秋から国を挙げての支援策も続々と実施されていくので、是非注目しておきたい。(詳細は後述にて)
働く場所か、住む場所か…
学生が地方就職を成功させるポイントは、まず最初にその動機の整理をしておくことだ。そこは「働く場所」か「住む場所」か…
地方という言葉にはどうしても「暮らし」のイメージが強く、Uターンであれば「安心感」、I・Jターンであれば「憧れ感」が大きな動機になる。シニアのリタイア生活であればそれでいいのだが…学生はあくまでも「働いて暮らしを創る」ことを柱にして考えることが必要だ。
でも、どうせ働くのなら(笑)…楽しいほうがいい、やりがいのあるほうがいい、地元に貢献できるほうがいい。心豊かな暮らしを手に入れる大きなメリットは、そこで役に立つ自分を描けてこそ継続していくことができる。「働く場所」としての価値をしっかり掴んでおくことはU・I・Jターン就職の大きな鍵となってくる。
地方の特性を知って企業を見る
大都市圏の企業は目に付きやすい。それは個人消費向けの企業が多いからだ。しかし地方のイメージはどうしても農林水産業(第一次産業)や観光業など、主要な「産業」そのものを思い浮かべる人が多いだろう。しかし就活生は一歩踏み込んで、そこにある一つひとつの企業にしっかり着目していこう。地元の自然・文化・歴史・暮らしの知恵など活かした、個性豊かな企業がたくさん隠れていることが分かってくる。そして加速するグローバル化・ネットインフラの充実によって、地方から直接世界へと羽ばたいている企業も多くあることを見つけることができるはずだ。※地方自治体のホームページなどを参考に…
●その地方の特性(自然・文化・歴史など)を知る
●土地の魅力と共に、抱える課題を掴む
●主力産業の現状と今後の展開を知る
●独特の強みを発揮する企業、必要とされている仕事を知る
大きな視野で地方の状況を知っていくことで、「働く場所」としての魅力や価値ややりがいを見出すことができれば、地方企業への志望動機のベースも出来上がる!