本場トルコでベリーダンス体験!
今や世界中にファンがいるベリーダンス(©Belly Dance A Exotic Lesson)
トルコ、エジプト、レバノンといった中東で盛んなベリーダンス。トルコでは「オリエンタル・ダンス」とか「ギョベッキ・ダンス(おへそダンス)」と言われています。最近は日本でもベリーダンサーが踊るレストランがでてきたり、ベリーダンス教室が各地で開催されたりするなど、流行りを通り越してダンス文化の一派として定着しつつありますよね。
ここでは、そんなトルコのベリーダンスについてご紹介します。古から現代まで、世界中の老若男女を虜にしてやまないベリーダンス。ただトルコを旅するだけではなく、本場のベリーダンスにクローズアップして楽しむのもまた粋な旅行になるかも。
ベリーダンスの基礎知識
19世紀頃、ヨーロッパ人画家ジャン・レオン・ジェロームが描いたオリエンタリズムの中のベリーダンサー(Wikimediaより)
ベリーダンスの発祥地については定かでないものの、紀元前5世紀のエジプト墓の壁画に描かれている踊り子がベリーダンサーではないか、という説もあるほど古くまでさかのぼります。当時は豊穣祈願、女神信仰を目的とした踊りだったのだとか。その後、10世紀頃にインドから西方に移動したロマたちが各地で民族ダンスを取り入れては次の土地へ伝えることによって、ベリーダンスも西へ西へと広まっていきました。実はスペインのフラメンコもその一つらしく、ベリーダンスって実は歴史深い、多地域にまたがったグローバル・ダンスなんですね!
ヨーロッパ人のイメージするオリエンタル・ダンスを模倣していたマタハリ(Wikimediaより)
その後オスマントルコ帝国時代になると、王スルタンのために世界中から集められた女性たちが、ハレムにおける教育の一環としてベリーダンスを踊るようになりました。そして18・19世紀になるとヨーロッパではオリエンタリズムが流行し、芸術家たちが描くハレムの日常生活の中にベリーダンスも描写されるように。こうしてベリーダンスの存在が世界中に知られるようになったのです。さらに西洋には中東のダンスを学び模倣する人たちも出てき始め、私たちがよく知っている女スパイ、マタ・ハリなどは、オリエンタル・ダンサーとしてミュージックホールなどで名を馳せていたのだとか。
彼女のレバノンの血がベリーダンスをセクシーに踊らせる!?(©lastfm)
このようにエジプトで始まったベリーダンスは、ロマ文化がミックスしながら中東地域に広まり、さらにオスマントルコ帝国によってはぐくまれ、ヨーロッパを通じて世界に知れ渡るようになったのです。その後欧米がダンスの中にベリー要素を取り入れ独自のスタイルを確立すると、これが今度は逆に中東に逆輸入されるようにもなりました。ベリーダンスは歴史を通して世界をつなげた文化の一つと言っても過言ではないのです。
今日ではコロンビアのラテンポップシンガー、シャキーラなどがベリーを取り入れたダンスをビデオクリップなどで披露しており、彼女の魅力的な動きに目を奪われたファンも多かったはず!