秋は見どころ満載! のどかな里山散歩を楽しめる鎌倉中央公園
鎌倉中央公園へ、里山散歩に出かけませんか。9月頃から田んぼに稲が実り、湿地一面に赤い花が咲く、秋は見どころの多い季節。お友達や恋人を案内したら、「鎌倉に田んぼ?」と驚かれそうな、サプライズ感のあるネイチャー体験。のどかな谷戸(やと)にほっこりしたら、バスで鎌倉駅に戻り、小町通りでお土産探し……なんて1日も楽しそう。遊具はありませんが、子どもも野山を駆け回れる、自然いっぱいの公園。穴場!里山散策コースをご紹介します。
鎌倉中央公園へのアクセス
いくつかのアクセス方法がありますが、一番迷わず行けるのは、鎌倉駅西口正面の道を進み、横断歩道を渡った先(徒歩約5分)の「鎌倉市役所前」バス停からバスに乗るルート。終点の「鎌倉中央公園」バス停で下車すれば、楽々アクセスできます。1時間に1~2本ほどと本数が少ないので、時刻の確認を。また、園内に売店はないので、食べ物などは持参して。<DATA>
■路線バス系統検索
http://www.kanagawabus.or.jp/app/routebus/index
そのほか、本数が多いところでは、湘南モノレール湘南町屋駅で降り、南へと坂を上がっていくルート。20分ほど舗装路を上がると、左手に中央公園入口があります。体力のある方向き。
さらに、大船駅3・4番乗り場からバスに乗り、「山崎」バス停で下車すると、平坦な道を20分ほど歩いて鎌倉中央公園山崎口に出られます。進行方向左手の道に入り、最初のT字路で看板に従い右折して、道なりに進みましょう。平坦で歩きやすく、途中から川沿いに歩ける、楽しいルートです。
鎌倉中央公園~上池・下池
さあ、鎌倉中央公園に到着!ここが鎌倉なの?と驚いてしまいそうな、緑あふれる景色。まずは鎌倉中央公園バス停から、下っていきましょう。目の前に広がる池は、かつての田んぼのため池跡。2つの池が並んでおり、それぞれ上池・下池と呼ばれています。トンボがすいすい飛び、カメが泳ぐ姿が見えるかも。
上池の左手に管理棟があり、地図やパンフレットをいただけたり、トイレを借りたりできるので立ち寄ってみて。
湿生花園~秋には赤い小さなお花が一面に
さらに進んで、右に折れて入っていくと、湿生花園があります。木道を歩いていきましょう。10月ごろなら、湿地一面に、オオミゾソバやツリフネソウの赤い花が咲きます。赤いコンペイトウのような花は、オオミゾソバ。溝に生えるソバの仲間であることから、この名がつきました。
ツリフネソウの花は、その名の通り、吊り下げられた船のような形。どちらも湿ったところに生える植物です。
谷戸底の水辺の動植物は今や貴重
こうした湿地の植物は、近年、貴重になってきています。三方を山に囲まれた鎌倉は丘陵が多く、その丘陵に、ひだのように刻まれた空間一帯を谷戸(やと)といいます。丘陵に降った雨は低い方へ流れ下り、谷あいからしみ出した「しぼり水」で、谷戸底には水辺ができます。古来、「しぼり水」で人々は田畑を耕作し、水辺にホタルやカエル、ドジョウなどがすんできました。ところが都市化とともに人々は、谷戸底の平らなところから開発を進め、建物を建てるなどしてきました。そこにすんできた水辺の生き物は、すみかを追われています。鎌倉中央公園などにかわいらしく咲く湿地の赤い花々は、谷戸の自然が一体的に保全されているからこそ、出会えるもの。大切に見守っていきたいですね。