結成20周年!「舞台」から見たV6とは
2015年がデビュー20周年のアニバーサリーイヤーとなるV6。メンバー6人の誰ひとり欠けることなくここまで来た彼らですが、近年ではグループとしての活動より個々の活躍が目立つようにも思います。今回はそんなV6を「舞台」というキーワードで見ていきましょう。まずは20th Century=トニセンの3人から。
坂本昌行
V6・20th Centuryのリーダでもある坂本昌行さん。グループ結成前に木の実ナナさん主演の舞台『阿国』でデビューし、V6としてCDデビューを果たした後も多くの舞台で主役を務めています。坂本さんの大きな武器が恵まれたスタイルとダンス力、そして伸びやかな歌声。多くのブロードウェイミュージカルに主演している坂本さんの出演作の中で特に印象深く思い出すのは『ボーイ・フロム・オズ』(2005年初演)でしょうか。鳳蘭さんや紫吹淳さんと共演した本作で実在の歌手、ピーター・アレン役を演じた坂本さんが、子ども時代の”自分”と語るシーン……深く胸に響きました。
デビュー前に一旦ジャニーズ事務所を辞めて、旅行代理店でサラリーマンとして働き、その後東山紀之さんの付き人として事務所に復帰した坂本さんですが、2013年には舞台『フランケンシュタイン』で師匠(?)とも言える東山さんと博士役・クリーチャー役を交互に演じるという試みにも挑戦。その演技は高く評価されました。
長野博
ジャニーズ事務所初となる特撮変身ヒーロー(『ウルトラマンティガ』の主人公マドカ・ダイゴ)を演じ、現在ではグルメ&料理好きを活かした食関係の仕事も多い長野博さん。舞台でメインの役を演じるようになったのは、ジブリアニメでも有名な『魔女の宅急便』のトンボ役から。1993年と96年に上演されたこの舞台は蜷川幸雄氏演出のミュージカルという事で大きな話題になりました。長野さんの出演作で印象深いのは2010年の『りんご~木村秋則物語~』。無農薬でりんごを育てようと何度も壁にぶつかりながら製法を確立した実在の人物・木村秋則役を演じた長野さんは、誠実さや柔らかさ、農業に対する熱い思いを真っ直ぐに表現。華やかなダンスシーンや歌、ギャグもないストレートど真ん中の作品で、しっかりとした存在感を見せつけました。
井ノ原快彦
NHKの朝の顔と言えばこの人、イノッチこと井ノ原快彦さん。映像のイメージが強い方も多いと思いますが、実は舞台にも数多く出演しており、90年代には事務所に内緒で双数姉妹という小劇場の作品にプライベート出演していたという猛者っぷり。演劇人にも仲の良い友人が多く、『相棒』の鑑識役でお馴染み、六角精児さんとは10代の頃からの付き合いで、終電がなくなると下北沢の彼の家によく泊めて貰っていたそう。また、ドラマで共演している吹越満さんとも新橋のガード下で飲み明かす間柄というから侮れません。井ノ原さんの出演舞台でインパクトが大きかったのは、長野さんとW主演したミュージカル『プロデューサーズ』。2005年と2008年に上演された本作で、井ノ原さんは山っ気たっぷりのプロデューサー・マックスを、長野さんは気弱な会計士・レオを演じ、客席の大喝采を浴びました。
その後もヨーロッパ企画の上田誠氏作・演出の舞台『昭和島ウォーカー』(2008)と『芝浦ブラウザー』(2011)に主演。トニセンとカミセンを繋いだという人間力で、小劇場系の俳優陣にも自然に馴染み、台詞の変化球を軽々と打ち返す井ノ原さんの姿が印象的な舞台でした。
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