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早実・清宮と関東第一・オコエがスター性を証明した夏

創設100周年という記念すべき第97回全国高校野球選手権大会で注目を集めた、早実の清宮幸太郎内野手と関東第一のオコエ瑠偉外野手。ふたりの今後について考えてみよう。

瀬戸口 仁

執筆者:瀬戸口 仁

野球・メジャーリーグガイド

野球ファンに大いなる可能性を示した2人

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創設100周年という記念すべき第97回全国高校野球選手権大会は、早実の1年生スーパースラッガー・清宮幸太郎内野手(16)とナイジェリア人を父に持つ関東第一の“規格外”オコエ瑠偉外野手(18)のためにあったと言っても過言ではない。2人(2チーム)とも準決勝で敗退したが、野球ファンに大いなる可能性を示した。

今大会、もちろん、プロ野球のドラフト候補となるいい投手も多く、スラッガーも清宮だけではなかった。しかし、つい数カ月前まで中学生だった“男の子”が、全国からこれほど注目されたにも関わらず、そのプレッシャーを跳ね除け、PL学園・桑田以来32年ぶりとなる1年生2本塁打、8打点としっかり結果を残せるものだろうか?(ご自分の高校1年生の時と比べて頂ければ、その違いがわかるのでは?)

甲子園の水にいきなり慣れ、我が庭にした「適応力」、チャンスを呼び込み、ことごとく自分のものにした「勝負強さ」、パワーと技術を兼ね備えた「レベルの高さ」など、とても高校1年生の器ではない。その雄姿があと4回も甲子園で見られる可能性があることで、どれほどの記録が生まれるかわからないという期待と同時に、こうなったら1日でも早くプロ野球のユニホームを着てもらいたいという願いが交錯する。

近年、高卒でプロ入りして、即、活躍する選手が目立つ。投手では、ダルビッシュ有(日本ハムから現レンジャーズ)、田中将大(楽天から現ヤンキース)、大谷翔平(日本ハム)などで、野手では、中田翔(日本ハム)、山田哲人(ヤクルト)、森友哉(西武)など。

それこそ、大学や社会人で過ごす時間がもったいないと思わせる。実力があり、高卒でプロの門を叩けるチャンスが訪れたら、球団に関係なく、飛び込んだ方が得策ではないか。

清宮が、早実卒業後、早大に進学するのか、プロに進むのかはまだわからないが、できればプロに進んでもらいたい。木のバットへの対応やまだまだ技術的な改良が必要なのはもちろんだが、ひとつ上のレベルの指導や強いライバル心を掻き立てる存在が必要となり、それを大学に求めるのは酷というものだろう。ただでさえ大きなスケールをさらに大きくして、王さんの868本塁打を目指してもらいたい。


オコエ瑠偉はメジャーへの挑戦が最善か?

かたやオコエには、メジャーリーグの匂いがプンプンする。もちろん、プロ野球を経てからになるだろうが、メジャーへの挑戦が最善と思えてきた。その理由は、全てのツールを持ち合わせているだけでなく、その全てが“規格外”といえるからだ。
象徴的だったのは、「ザ・キャッチ」だ。

三回戦の中京大中京戦、一回二死満塁のピンチで、左中間最深部を襲った大飛球に対し、オコエは中堅のポジションから50メートル5秒96の俊足を飛ばし、約30メートルを背走しながら飛びついて好捕した。1954年、ジャイアンツのウィリー・メイズがインディアンスとのワールドシリーズで、中堅後方への大飛球を背走し、フェンス際で後ろ向きのまま捕球した「ザ・キャッチ」を彷彿とさせるプレーで、4万7000人の超満員スタンドを沸かせた。

それだけではない。二回戦の高岡商戦では創設100年に2人目という1イニング2三塁打を記録し、類稀なスピードを印象付けた。準々決勝の興南高戦では、3対3で迎えた九回に劇的な決勝2ラン(高校通算37号)を左中間スタンドに叩き込み、勝負強さとパワーを見せつけた。しかも、遠投は120メートルとくる。

走・攻・守が“規格外”で揃っているオコエを、メジャーも放っておくわけはない。それにも増して、本人がメジャー志向だ。好きな選手として大リーグが誇るオールラウンドプレーヤー、2009年には首位打者にも輝いたレッドソックスのハンリー・ラミレス外野手を挙げ、「ああいう魅力的な選手になりたい」と言ってはばからない。

清宮にしろ、オコエにしろ、日米両スカウトが見守る中、どういう道を歩んでいくのか? 2人のスターとしての野球人生は、まだ始まったばかり。輝きは増すばかりだろう。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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