専門学校の資料はいくつかの種類があります。メインとなるガイドブック、募集要項の他にAO入試や体験入学・オープンキャンパスの案内、寮の紹介、就職先一覧の冊子などがあります。今回は、『ガイドブック』と『募集要項』について紹介しながら、志望校を絞り込むポイントを解説します。


ガイドブックは【建学の精神】と【教育理念】をチェック!

ガイドブックと呼ばれるものは、雑誌のように在学生の様子などが写真付きで載っていて、学校の雰囲気も分かるようにカラー刷りの上質紙で製本されています。学ぶ楽しさやキャンパスライフの様子が分かる内容になっています。項目としては、建学の精神や教育理念、学科・カリキュラム、卒業生の紹介、教職員、就職先などが記載されています。

その中でも、流されがちな『建学の精神』『教育理念』ですが、入試における面接での受け答えや志望理由書などでポイントを外さないためにも、深く読み解いておく必要がある項目です。そのポイントは、書かれている文章の長さや言葉の難解さに惑わされるのではなく、内容が《過去・現在・未来》の3つの時間軸のどこに重きを置いているかに着目します。

例えば、“過去”のこと、設立事由や沿革などがメインであれば、自分の体験談や経験則をベースに表現します。“現在”の社会情勢やニーズに対応する教育体制などを謳っていれば、自分が夢中になっていることや取り組んでいることを中心に伝えるようにします。“未来”に向けて育成する人物像や業界像であれば、将来に対する夢や目標をアピールするとよいでしょう。

要するに、学校側が発している言葉を時間軸という観点で自分の言葉とリンクさせることです。一般的には動機(過去)→取り組み(現在)→目標(未来)の流れに沿って表現しますが、それらのバランス・強弱を学校と合わせるイメージです。そうやって考えたときに、違和感を感じるようでしたら、学校の理念と合わない可能性もあるので、今一度、自分がなぜその学校を志望するのか、なぜその仕事に就きたいのかを問い直すことも必要です。

大学・短大は5月末頃から、ガイドブックのみ取り寄せることができます。専門学校は年度初めの4月にはでき上がっていて、募集要項や他の資料も同封されています。

もう一方の募集要項の見方については、志望校の絞り込みや学校間の比較検討の材料にもなりますので、次の章で詳細を説明いたします。

大学のガイドブック

大学のガイドブック



募集要項のチェックすべきポイント

募集要項は、大学・短大でいう“願書”のことで、大学は入試シーズン前の秋口から書店で並び始めるため、ガイドブックとは別に取り寄せる必要があります。

一方、専門学校の募集要項は先述した通り、新年度になる前には出来上がっていて、ガイドブックと一緒に同封されていますので、各学校の詳細を比較検討した上で、6月からスタートするAO入試に臨むことができます。書かれている内容は、出願準備→入試・受験→合格発表→入学手続き、と出願から入学に至る一連のスケジュールの流れが記載されています。

募集要項の主な記載事項と学校選びにつながるポイントを挙げてみます。

◆コース・学科の募集人数(定員)
例年、定員に満たない学校・学科もありますので、記載されている定員数ではなく、実際の入学者数/卒業者数/就職者数を比較すれば、その学校の教育内容を数字で測ることができます。入学者数より卒業者数が少なければそれだけ中退者が出たということであり、卒業者数と就職者数に開きがあれば、就職に強い専門学校とは言えません。これらの実数については、オープンキャンパス、体験入学で担当者に確認しないと分からないケースがほとんどですので、直接足を運んだ際にズバリ、直接聞いてみることが一番確実です。きちんとした実数を示すことができず、さらに納得できる理由も言えないような学校であれば、志望校からは外した方がよいでしょう。

◆受験・入学資格
こちらの方は専門課程であれば高卒以上、高等課程であれば中卒以上となっていて、学校間の違いは特にありません。高卒は、高等学校を卒業するか、"高認"と呼ばれる高等学校卒業程度認定試験を合格しているかになります。ただし、その両方の場合でなくても"高卒程度以上"という表現があれば、高卒でなくても“個別審査”という制度で入学できる学校も稀にあります。

◆入試について
○種類

AO、推薦(指定校・公募制)、一般入試など入試の種類が多岐にわたる学校も多いので、それぞれ出願のタイミングの違いもチェックしながら、入試方法を選択しなくてはいけません。一番早いのがAO入試ですが、これは都道府県ごとに取り決めがあり6月1日から受け付けるようになっていますので、それ以前の入試や出願を謳っている学校は注意を要します。

○提出書類
学校によって違いますが、自己PR文、志望理由書、エントリーシート、課題作文、推薦書などがあります。こちらは学校長や担任も関わる書類にもなりますので、高校生であれば出願校を決める前に必ず高校側へ相談し、指導を仰がなくてはいけません。もし、高校側が作成すべき書類の提出がないような出願形式の専門学校であれば、なおのこと高校の進路担当の先生へ相談することをお勧めします。なぜなら、募集が始まって間もないにも関わらず、早めに出願しないと定員が一杯になるなどと吹聴して出願を煽る学校もあります。実際に人気分野、人気校であるためにそういったケースもありますが、そうでない場合の方が少なくありません。そういった専門学校の情報は高校側の進路指導部には蓄積されていますので、きちんと相談して慎重に判断すべきです。

学費に関しては、大学・短大はガイドブックに記載されていますが、専門学校の場合は募集要項の方にあるのが一般的です。学費や学納金などのお金にまつわる項目については次の章でまとめて解説いたします。


学費や奨学(金)制度の種類・減免・納付について

◆種類……国が運営主体である日本学生機構の奨学金制度や、教育ローン(日本政策金融公庫)、都道府県や市区町村などが運営する奨学金制度、学校独自の奨学金などがあります。ただし、都道府県以下の公的機関の奨学制度については進学先の専門学校の所在地ではなく、居住しているところの管轄になりますので各地域の教育委員会や学事課、福祉課などへあらためて問い合わせる必要があります。学校独自の奨学制度については、必ずしも成績優秀者だけを対象とするのではなく、学科に関連した各種資格、検定の取得者にも幅広く適用している学校も少なくありません。

◆減免……AO入試や成績上位者を奨学生とするスカラシップ入試など特定の入試制度を活用することで入学金免除、学費免除をしている学校も年々増えています。また、事前にオープンキャンパス、体験入学、学校見学など専門学校が主催しているイベントに参加することで受験料の免除や割引をしている学校も数多くあります。

◆納付
……学納金の納付についてですが、合格通知が届いてから目安として2週間から一ヶ月ぐらいの間に設定されているが一般的です。AO入試などの早めの入試制度を活用した場合には、納付も前倒しになりますので、出願の前に確認しておく必要があります。納期のスケジュールですが、入学金と前期分学費を納め、残りは後期というように2期に分けて納付するのが一般的です。近年は、入学者の経済状況に合わせて四半期毎や月毎など、より細かく分割できるように柔軟に対応している学校も増えてきていますので、臆することなく相談してみることです。

受験料の振込用紙等は募集要項にありますが、他の必要書類である出願用紙・受験票などを揃えたり、納付したりすることは、生徒本人(高校生)だけでは不慣れな点が多々ありますので、保護者の早い段階でのフォローが必要です。

専門学校の資料

募集要項も同封されている専門学校資料



事前の比較検討が学校選びのカギを握る

募集要項などは、分かりやすさという点では多少の難があるかもしれませんが、よく読み通すことで入試方法の選択や学費・奨学制度の活用などの面で有利になることも少なくありません。当然、最終的にはオープンキャンパスや体験入学・学校見学のときに直接問い合せる必要がありますが、体系的な視点をもって事前に資料を比較検討すれば、学校間の違いをより明確にとらえることができるばかりでなく、ミスマッチのない学校選択にも繋がります。