専門学校受験/専門学校受験の基礎知識

親や奨学金に頼らず自力で進学!専門学校の制度とは

今回は親や奨学金に頼らずに、自力で専門学校に進学して、働きながら学ぶことで、憧れの仕事に就く制度のご紹介です。

古堅 政義

執筆者:古堅 政義

専門学校選びガイド

新たな進路先の一つとして注目を集めています

上級学校(大学・専門学校)への進学費用は親が負担するのが一般的です。親の経済状況が厳しければ、卒業後に本人が返済する奨学金制度を利用することもできます。しかし、それも借金であることには変わらず、返済で苦労している社会人も少なくありません。

一方、親の学費支弁や返済義務のある奨学金に頼らずに自力で専門学校に進学できる制度があり、進路選択の中では、『就職進学』、『働きながら学ぶ制度』、『通学社員制度』、『委託社員制度』など学校によって呼び名は違いますが、いずれも自力型の進学を目指した制度として認知されています。

そうした制度を夜間学科としてカリキュラム編成している学校が多くあります。

学校案内パンフ

夜間学科が特徴的な東京商科・法科学院専門学校



どういう人に向いている制度なのでしょうか?

次のいずれかに当てはまるならば、専門学校の【自力型進学】制度は一考の余地があるといえます。

■高校生ならば、第1希望は就職だが、内定が取れていない人、または、専門学校への進学希望だが、学費の工面が厳しい人などです。

■大学生ならば、就活はしているものの、内定が取れていない人、または、キャリアプランを考える中で専門技術、資格取得などに興味がある人などです。

高卒、大卒ともに年々、求人状況は改善されているものの、やはり地域や職種によっては未だ厳しい現状にあるともいえます。

そうした人達が、親や奨学金に頼らずに自ら学費を稼ぎ、そして専門職の技能を身に付け、憧れの仕事に就くことができるのです。


自力進学型学科の種類と特徴

自力進学型学科の魅力は何と言っても、学費の面です。学費といっても、ただ単に授業料が安いというだけではありません。夜間学科であれば、昼間は働いていますので、自分で稼いだ収入の中から、学費を捻出し生活していきます。しっかり稼ぎながら、学びつつ、資格を取りつつ、検定を受けつつなライフワークです。

夜間学科だけではなく、医療分野などの午前中に業務が集中する分野は、午後から勉強する学科があります。また、ホテル・観光などの夕方から業務が集中する分野では、逆に午前に勉強する学科もあります。

制度的には専門学校に入学後、自分でアルバイトを探すのではなく、専門学校が企業を紹介してくれて、入学と同時に社員として雇われます。

自分が就きたい企業に無給で期間を限定して就労する【インターンシップ】という制度はありますが、自力型進学制度はあくまでも社員という身分で給料をもらう点において、全く違います。

そのような働きながら学ぶ、自力進学の制度は専門学校と企業の関係において次の3つのタイプに分類されます。

1 業界直結型
学ぶ専門分野の延長線上に仕事があり、業界の人材需要と専門学校の分野が一致しています。例えば、調理分野なら飲食店舗での仕事、商業実務分野なら事務関係の仕事、医療事務分野なら病院、教育福祉分野なら保育補助などがあります。

2 人材不足型
大手の飲食チェーン店や病院などの恒常的に人材が不足している業界で、学費を全額負担しても雇用を確保したいという企業側の事情があります。
いずれにしても学校と企業の関係性は強くなく、学費を負担する企業側としてはどんな分野の学校を選択しても構わないというのが基本姿勢です。

3 行政支援型
厚生労働省が支援している『デュアルシステム』とも呼ばれる制度です。企業での仕事も授業の一環とみなされますので企業は、勤務の内容を授業として成績評価もしなくてはいけませんが、国の予算から補助金が出て人件費を補うことができます。学校と企業が行政の管轄の下に、提携していて、学ぶ環境がきちんと確保されている点が大きな特徴です。


上記の3タイプは、専門学校を卒業した後もそのまま企業に残ることができます。その場合には、待遇が高卒から専門学校卒へと変わります。また、それとは別に、取得した資格や技能を活かして新たに就活し、別の企業に就職するという選択肢を選ぶこともできます。

働きながら学ぶ制度のイメージ

学生、企業、学校の関係性がイメージできます



夢を諦める前に知っておきたいこと

家計の事情により、憧れの仕事に就く夢を断念せざるを得ないケースも確かにあります。しかし、地方から都心へ移る、親元を離れて一人暮らしを始める、働きながら学んでみるなど、いろいろな条件を組み合わせたり、環境を変えたりすることで自分の目指す道が拓けてくるかもしれません。

決して、ゆとりのある生活ではないでしょうが、揺るがない夢に向かっての一つのルートであることには違いありません。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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