ギリシャ/ギリシャの観光

絶景!奇岩の頂上に建つ修道院群、中空の聖地メテオラ

500m級の奇岩が次々と現れ、その頂上には修道院が建つというまさに絶景のメテオラ。ギリシャ各地に点在するユネスコ世界遺産のなかで最も人気の高い見所です。世界中に多くある世界遺産ですが、メテオラは30数件しかない、文化遺産と自然遺産の両方の価値を持つ複合遺産。その驚愕の光景を見るために世界中から多くの観光客が訪れます。日本からも人気が高まっています。

有馬 めぐむ

執筆者:有馬 めぐむ

ギリシャガイド

奇岩の上の修道院群  世界でも数少ない「複合遺産」

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奇岩の上の建つ修道院の姿は神秘的 

ギリシャ各地に点在するユネスコ世界遺産の中でも最も人気の高い見所、メテオラ。世界中に多くある世界遺産ですが、メテオラは30数件しかない、文化遺産と自然遺産の両方の価値を持つ複合遺産です。

ピンドス山脈の麓、テッサリア平原を行けば、奇岩群が次々と姿を現します。圧倒的で不思議な光景ですが、約6万年前の湖や川の浸食作用によってこの奇岩群が形成されたというのが有力な説です。これらの巨大な岩だけでも見応えがありますが、メテオラは更にその頂上に修道院が建っており、まさに絶景。空中に浮かぶようなその驚くべき光景を見るために、世界中から多くの観光客が訪れます。日本からもここ数年、非常に人気が高まっています。

その絶景は映画にも登場、007シリーズ『ユア・アイズ・オンリー』の撮影が行われ、ロジャー・ムーア扮するジェームズ・ボンドがメテオラの岩をのぼって頂上の修道院にたどり着くシーンがあります。

メテオラは「中空の」、「宙に浮いている」という意を示すギリシャ語の形容詞「メテオロス」に由来しています。巨大で険しい岩の洞穴空間に修道士が住み始めたのは9世紀頃。当時から俗世を離れ、神との交信を求める場所だったようです。14世紀にはセルビア人がテッサリア地方に勢力を伸ばしてきたため、この頃から多くの修道士が戦乱を避けるためにメテオラにやってくるようになりました。

1356年、ギリシャ正教の聖山であるアトス山から、聖アサナシオスが数人の修道士とともにやってきてメガロ・メテオロン修道院を建立。それから幾つもの修道院が建てられ、共同体としての修道院群が形成されていきました。最盛期には30前後の修道院があったと言われていますが、現在は6つの修道院のみに修道士たちが住んでいます。

どうやってこのような断崖絶壁に修道院を建てたのか、誰もが思いを馳せますが、現在も使われている簡素な仕組みのロープウェイで建築資材を少しずつ運んで建てていったと言われています。しかし詳細についてはよくわかっていません。神秘的な光景は忘れがたい旅の思い出となることでしょう。

メテオラへのアクセス、観光の注意点は?

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巨大な岩に張り付くように建つアギオス・二コラオス修道院

メテオラには宿泊施設等はないので、宿泊はたいていカランバカです。カランバカは銀行などもあり、拠点とするには便利な街です。2つある広場の周辺は、市場が開かれ、タベルナやカフェが軒を連ねます。特に夏季は夜まで人々が集まり、賑やかな雰囲気です。この街はずれにある、最も古いビザンティン教会は訪れる価値があります。

近隣のカストラキ村にもゲストハウスなどがあります。カストラキは絵葉書のような美しい街並みが広がる村です。

アテネから個人で行く場合、レンタカーで高速道路を使用し、約5~6時間。電車やバスの乗り継ぎでも5~6時間はかかります。電車の場合、アテネ・ラリサ駅からカランバカまで直通のインターシティで約4時間30分。バスの場合、アテネからトリカラ行のバスに乗り約4時間30分、トリカラでカランバカ行のバスに乗り換えて約30分です。カランバカからメテオラへはメガロ・メテオロン修道院行のバスで約20分です。

個人で行くのは大変なので、アテネ発の旅行会社による現地ツアーを利用するのが一番便利です。日帰りツアーもありますが、長時間の移動になり、2、3の修道院のみの見学になります。修道院の休館日にもよりますが、6つの修道院を訪れたい場合、1泊2日で全ての修道院をしっかり見学する行程がおすすめ。また周辺の見所と合わせて3泊4日のツアーなども出ています。

メテオラは今日も修道士たちが厳しい戒律を守りながら生活している神聖な場所です。服装には注意が必要で、夏はタンクトップや短パン、ミニスカートなどはNGです。基本的に女性は長いスカートの着用が規則になっていますが、それほど長いスカートでなくても大丈夫です。パンツ姿でも大きめのストールなどを持参し、内部に入る際、それを上に巻けば大丈夫です。また修道院の入口では着衣の上からはける長いスカートを貸し出していますが、混み合う時期は足りなくなることもあります。

内部はたいてい博物館と礼拝堂以外は撮影することができますが、撮影不可の場所には標識がありますので気をつけてください。また各修道院へは階段の昇り降りが非常に多く、けっこう体力が要ります。体調管理に気をつけ、歩きやすい靴で訪れてください。

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