ここでいう5つの感情は、万物を5つのエレメントに分類する古代中国の哲学思想である「五行」の五志にも当てはめることができます。怒(イカリ)、喜(ヨロコビ)、思(ムカムカ)、悲(カナシミ)、恐(ビビリ)、これらの喜怒哀楽はそれぞれが強すぎても弱すぎてもバランスを崩し、ひとつの感情が異常に特化しすぎると、私たちの肉体にもダイレクトに悪影響が出るといわれています。
怒りすぎると気がのぼる「怒則気上」
相手のことを考えると、食べ物がのどに入らない……。それも「思則気結」のひとつかも
喜びすぎると気がゆるむ「喜則気緩」
喜びは心(しん)がつかさどる感情です。心の機能が低下すると気がゆるんで笑いが止まらなくなったり、逆に悲しみにあふれてきます。ひとりで笑っていたり、ハイになっているときは、心に影響が出ているかもしれません。思いすぎると気が結ぶ「思則気結」
思いは脾(消化機能の総称)が受けもつ感情です。脾の働きが悪くなると気の流れがスムーズにいかなくなり、うつうつと考え込みすぎたりします。思い込みすぎると、食欲が落ちる経験ありませんか。おなかが張ったりゴロゴロする人もいるでしょう。悲しみすぎると気が消える「悲則気消」
悲しみは肺が担当する感情です。肺が悪くなると気を消耗して意気消沈させ、人を悲観的にさせたりします。嘆き悲しんだりすると肺の働きが弱まり、鼻の粘膜に悪影響が出たり、喘息やアレルギー性鼻炎などを引き起こしやすくなります。恐れすぎると気が下がる「恐則気下」
恐れは腎の感情です。腎の機能が弱まると気の流れが乱れたり下がってしまうので、気持ちが静まらなくなったりおびえて失禁したりします。逆にビクビクしすぎると腎を弱め、水分代謝が悪くなったり、めまいや耳鳴りになりやすいです。中医学的な5つの感情とそれにリンクする臓器のトラブルを紹介しましたが、映画ではある時、ヨロコビとカナシミが行方不明になってしまいます。実はこの二つの感情がなくなると、中医学的にみても大変なことになるのです。
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