知的障がい者フットサル日本代表 木村監督インタビュー
知的障がい者フットサル日本代表 木村監督
木村監督:私自身は知的障がい者サッカー日本代表のコーチをやっていたのですが、自分自身がフットサルをプレーしていたので(東京都フットサルリーグ1部所属CAMISA)、こちらの活動にも興味があり、監督選考会に応募し就任しました。
Q:知的障がい者フットサル日本代表の現状とは?
木村監督:今年(2015年)の3月に初めて選手選考会を公募(全国で)しまして、その中から選手数人を日本代表候補として選び、正式にチームを立ち上げ、5月に第一回の強化合宿を行いました。その後は6月・7月(現在)と合宿を組んで、この後8月・9月にも合宿を行い、9月16日出発でエアクアドルに向かう予定です。
知的障がい者フットサル日本代表選手のほとんどは、知的障がい者サッカー日本代表の選手です。数人はフットサルをプレーしていた選手もいましたが、多くが最初はフットサルのルールも分からない状態で始め、そこから徐々にフットサルに慣れてきたというような現状です。
Q:特に意識していること・させていることは?
木村監督:フットサルではフィールドは4人しかいませんので、全員が手を抜かずに、不器用でも真面目にキッチリ守備をするっていうところを一番最初の合宿でやりました。攻撃については、サッカーもやっていて色んなアイディアが出てくるので、なるべく選手の良いところをそのまま出せるようにあまり制限はしていないのですが、守備のところをしっかり組み立てるということを意識させています。
Q:まだキャプテンは決めていないとのことでしたが、練習を見させて頂いて、すぐに9番の浦川選手に目がいきました。このチームでの浦川選手の立ち位置は?
木村監督:浦川はサッカーの方でも代表でエースなので、やっぱり前(攻撃)をやらせると、すごく特徴を出せる選手だし、彼を起点にし、2枚目・3枚目が関わっていくというところは良い形が出せると思っています。
Q:1点ディフェンスの部分が気になったのですが、フットサルのセオリーであるマンツーマンでも、ゾーンでもない、あまり意図が見えない(共通意識のない)ディフェンスの仕方だった気がするのですが、ディフェンスの決まりごとなどは?
木村監督:実はそこは、最初の合宿でまずマンツーマンをやったのですが、選手の混乱もあってマンツーマンはあまり良くないなと。フットサルだからと当てはめるのは良くないなということで、サッカーのフォワードが前線からプレスしていってサイドに追い込んでサイドハーフだったりサイドバックが取るというイメージにしました。「ここでボールを取りたいよ」というのだけは伝えて、正直あまりゾーンだったりマンツーという基準は作れていません。前線がまず一枚追い込んで、そこだったり追い込んだ次のところで奪い切るということを意識しています。
Q:最後に読者の方々へメッセージをお願いします
木村監督:知的障がい者フットサル日本代表はできて間もなく、まだ認知度が低いです。まずはこういった形で多くの人に知ってもらいたいなと。また、選手達はプレーの面では障がいは見えづらいですが、選手によってはコミュニケーションが苦手だったりとか、文章が書けないなど、それぞれ生活の中では困難なことがあるのですが、日本代表という夢があると頑張れる部分があります。選手達はしっかり仕事もしながら、応援される選手になろうと頑張っています。もちろん、選手だけでなくスタッフ含めて応援されるようなチームになりたいと思っていますので、ぜひ宜しくお願いします。