教育資金、老後資金、親の介護など、何かと心配です

給料が上がらない不安をどうする?

給料が上がらない、支出は増えていく……不安をどうする?

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者はライフプラン全般について心配だという30代の男性会社員。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんが担当します。
※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください。(相談は無料になります)


■相談者
Yさん
男性/会社員/38歳
長野県/持ち家一戸建て

■家族構成
妻(37歳、会社員)、子ども2人(4歳/幼稚園、2歳)

■相談内容
私の勤務先は中小企業で、昇給はほとんど望めません。教育資金(地方ゆえ東京の大学進学なら余計にかかる)や老後資金に加え、将来的には隣に住む母親(62才)の面倒も見ることになります。したがって、現在は生活できていますが、今後を考えると心配です。また今後は、30%くらい国内株式などで運用していきたいと思っていますが現在の株価水準を見て躊躇しています。独身時に株式投資を経験しているので抵抗はありませんが、不安も感じます。保険については、学資保険をしていないのと火災保険に入っていない(入るなら3000万円程度)のが気掛かりです。

■家計収支データ
Yさんの家計収支データ

Yさんの家計収支データ



■家計収支データ補足
(1)ボーナスの使いみち
年間80万~90万円貯蓄、あとは家族で必要なモノを購入する

(2)「保険料1万円」の内訳
夫/定期(死亡2000万円/保険期間20年)=保険料5784円
妻/定期(死亡1000万円/保険期間10年)=保険料1283円
妻/医療共済(終身、入院8000円(61歳以降5000円)、先進医療特約他)=保険料3290円

(3)「教育費7万円」の内訳を教えてください。
保育園費用6万円、習い事3000円、保育園関連費用4000円。

(4)住宅について
5年前に親の土地に現金で新築(費用2000万)を建てた。現在の「住宅コスト1万円」は固定資産税の月割り換算額+補修費用。ちなみに土地、家屋敷、田畑(1.4町歩くらい+山林)は現在、自分名義。ただし、田舎なので土地の資産価値はほとんどないとのこと。

(5)母親と所有する農地について
現在は別所帯でお金の管理は別。本人の年金と貯蓄でも、寝たきりにならなければ生活はできそう。田んぼ(3000坪)は、知人に頼んで耕作をしてもらっているので管理負担なし。しかし、5年後以降は相談者が管理する予定。このくらいの規模だと農機の管理を含めると収支はマイナス(年30万円くらい)になるため、今後はこれらも費用に入れなければいけないと考えている。また、田畑(600坪)は母親、と相談者が管理。食べる野菜などを作っている。

■FP深野康彦からの3つのアドバイス
アドバイス1 ライフイベントに合わせながらひとつずつクリア
アドバイス2 貯蓄ペースを維持できれば老後資金も安心
アドバイス3 投資30%は無理なくできる範囲

アドバイス1 ライフイベントに合わせながらひとつずつクリア

ご相談者のYさんが心配されていることをまとめると、増えない収入に対して教育資金、老後資金、そして母親の介護費用をどう備えていくか、ということになるかと思います。

多くの同世代の人が共通の不安を抱えているでしょうが、実際にはどれもこれも一度には解決しません。今後、順番におとずれるライフイベントに合わせながら備えていく、つまりは資金に優先順位をつけてひとつひとつクリアしていくという考えでいいのではないでしょうか。

また、Yさんの場合、有利な点があります。ひとつは負債がない。住宅を現金で購入しているため、貯蓄ペースを高めることができます。もうひとつは、すでにまとまった貯蓄があるということ。その意味で、過度に心配しているという気もします。

もちろん、さまざまなリスクを想定しながら慎重にマネープランを考えることはとても大切ですが、それにより必要以上に自分を追い込んでしまっては意味がありません。したがって、ある程度の資金の目安を定めて、不安を解消していく作業が必要になってくるでしょう。

アドバイス2 貯蓄ペースを維持できれば老後資金も安心

では具体的に考えてみましょう。

まず教育費ですが、高校まで公立と想定すれば、用意すべきは大学費用。進路に寄ってかかる費用は異なってきますが、たとえば私大文系とすれば卒業までに1人400万円。また、心配されている仕送り費用ですが、その平均額は月7万円ほど。4年間で336万円ですから、多くかかるケースで1人750万円、2人で1500万円となります。

その資金ですが、現在毎月25万円、ボーナスで80万~90万円の貯蓄ペース。上のお子さんが高校卒業時点で約5400万円貯まる計算になります。まったく問題なく用意できます。

お母さんの介護費用ですが、今後、どのような介護が必要になるか、またどんな介護を望むかで費用は当然異なってきます。平均額で言えば、介護保険を利用した上での自己負担額は月3万~5万円と言われています。介護に要する年数を長く見積もって10年とすれば500万円前後。また、全額をYさんが賄うのではなく、お母さんの資産なども介護費用に回すことができるはずです。介護による家族の負担は経済的なものだけではありませんが、少なくとも費用に関してはクリアできるはずです。

老後資金についても、もちろん、その過ごし方や健康状態でかかる費用も変わります。それでも、先ほどの貯蓄ペースを維持していけば、退職金を考慮しなくても、60歳時に8500万円貯まります。現在すでに1200万円ありますから、教育資金や介護資金を差し引いても、安心できる額の老後資金は用意できると言えるでしょう。

アドバイス3 投資30%は無理なくできる範囲

株式投資についてですが、現在の国内市場を見ると躊躇するとのこと。これは、アベノミクス以前に投資経験がある人だからこその意見です。あの時代の株価低迷を思えば、今の相場は確かに過熱していると感じる方がむしろ自然です。

では、本当に今の国内市場はバブルなのか。意見はいろいろあるかと思いますが、私はまだ上昇余地はあると考えています。上がるペースは落ちるかもしれません。また、途中にはそれなりの調整も入るでしょう。それでも、長期的には上昇トレンドにはあると思います。

投資スタンスしては個別の割安株を根気よく探していく。NISAを上手く活用するのもポイントでしょう。また、30%ほどを株式投資に回すと考えられているようですが、現在の貯蓄ペース等を考慮すれば、その配分で問題ないと思います。ただし、一気にではなく、10%、20%と市場を見ながら、段階的に配分を増やしていってください。保険については、学資保険はあえて入る必要はありません。

しっかり分けて貯蓄していけば、どんな貯蓄商品で教育費を準備しても構わないのです。火災保険は、家計にも余裕がありますから、加入しておけば安心でしょう。ただし、保障内容は支払い条件などが複雑ですので、よく保険会社に説明を受けてください。また、不安であれば地震保険も合わせて加入しておくといいでしょう。

Yさんから寄せられた感想

深野先生アドバイスありがとうございます。お金のことはなかなか他の人に相談できないことなので大変参考になります。一番の現在の不安要因は給料が増えないことだと思っています。(現在の給料は毎月80時間以上の残業によります。出るだけいいとも言われますが……)介護保険はまだ制度についてはまったく理解していないのですが、思いのほか負担は少なそうなので安心しました。NISAはとりあえず口座だけは作ってみました。2人ともフルタイムで働いているので子どもと接する機会が少なくなってしまうのが悲しいのですが、現在の貯蓄ペースを保ってやっていけばなんとかなりそうなので頑張ってやっていこうと思います!

教えてくれたのは……

深野 康彦さん

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業界歴26年目のベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。




取材・文/清水京武 イラスト/モリナガ・ヨウ


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