航空券/マイレージ

マイレージの基礎知識(3ページ目)

ポイントをためると無料航空券の特典がもらえることから、人気の高いマイレージサービス。旅行ファンにはおなじみのサービスですが、初心者にとってはわかりづらい点が多いもの。そこで今回は、これだけは押さえておきたい「マイレージの基礎知識」をおさらいします。

執筆者:中西 克吉

人気の無料航空券をはじめホテルやスパ利用の特典も

頻繁に海外へ行く機会があれば、最新のファーストクラスの特典も夢じゃない?写真はJALの最新のファーストクラス。

頻繁に海外へ行く機会があれば、最新のファーストクラスの特典も夢じゃない?写真はJALのファーストクラス。

マイレージが支持される最大の理由は、無料航空券の特典があるからです。それなりのマイル数をためると、ふだんはなかなか乗れない上級クラスでさえ無料で利用できるのは、とりわけ大きな魅力です。無料航空券やアップグレード特典以外にさまざまな特典を用意する航空会社も多く、例えばレンタカー利用券、航空券購入等に使えるクーポン券、電子マネー、旅行グッズや特産品などが手にできるところもあります。ヴァージン アトランティック航空は、高級レストランの食事券、箱根や伊豆などの高級旅館・ホテルの宿泊券、ワインセット、ヘリコプター・ナイト・クルージング、エステティック&スパビューティーコースなど、日本国内で使える多彩な特典をそろえています。

 

総2階建ての超大型機、エアバスA380にもマイレージの特典で乗れる(利用クラスは制約されることがある)。

総2階建ての超大型機、エアバスA380にもマイレージの特典で乗れる(利用クラスは制約されることがある)。

ただ、「マイルはそこそこたまったけど、無料航空券の特典がなかなかとれない」という声をよく耳にします。航空会社にとってマイレージは基本的に「空席の有効活用」といえるため、連休の時期や夏休み期間、年末年始などの旅行のハイシーズンは特典の座席数が制限されます(航空会社によっては特典の提供自体がなくなります)。また最近はコスト削減のため、航空会社が減便や機材の小型化などで搭乗率を上げる傾向にあること(有償の乗客が増えると特典の座席が出にくくなります)、上級クラスのシートが大型化するにつれ座席数が減る方向にあること(同様に特典の座席が減ります)なども、特典が以前に比べてとりづらいと感じる理由でしょう。

さらに、必要なマイル数が増えたり、予約変更や払い戻し(マイル口座へのポイント返還)の手数料が値上げされたり、保有マイルの有効期間が短くなったりと、近ごろ特典交換の条件は厳しくなる傾向にあります。「この間まで2万マイルで交換できたのに、いつの間にか3万マイル必要になっている」。そんな経験をしたことがある人も少なくないかもしれません。

またアップグレード特典においても、対象となる予約クラスが絞り込まれ、割高なチケットでなければ使えないことが多くなっているようです。さらにここ10年ほどでは、航空会社の合併や吸収によりプログラム内容が変更されるケースが増えていますし、最悪の場合は経営破たんによってマイルの価値がゼロになることもあり得ますから、心しておく必要があるでしょう。

 

マイルが失効しそうなときこんな手も使える

ANAには、生鮮食料品やバッグ、オリジナル腕時計などから選べる「AMCセレクション」の特典も。

ANAには、生鮮食料品やバッグ、オリジナル腕時計などから選べる「AMCセレクション」の特典も。

お得感は減りますが、行きたい路線の無料航空券の特典がとれず、マイルの有効期間が迫っている場合、日系のプログラムではクーポン券の特典に交換し、それでチケットを買うのもひとつの方法です。また欧米系など一部のプログラムでは、マイル自体を購入し、特典交換に不足するマイル数を補ったり、保有マイルの有効期間を延ばしたりすることも可能です。この場合、マイルは基本的に航空会社のウェブサイトからクレジットカードで購入します。

利用条件に変更の多い最近のマイレージですが、プログラムや予約の時期、利用する航空会社、路線、旅行時期などを選べば、まだまだ比較的簡単に無料航空券が手にできるといってもいいでしょう。旅行ファンにとって非常に魅力的なサービスであることに変わりはありません。

旅行サイトの利用者アンケートなどを見ても、マイレージの充実度と使いやすさは、航空会社を選ぶ際の重要な基準になっています。それが航空会社にとって、「マイレージは最も重要なマーケティングツール」(日系航空会社)であり続けるゆえんでもあるのです。

消費者にとっても航空会社にとっても、メリットのあるマイレージ。もともとは「いっぱい乗ったことに対するおまけのサービス」とある程度割り切った上で、上手にポイントをため、特典を手にしたいものです。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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