飛行機に乗らなくてもマイルはたまる
ところで、この10年ほどの間に、マイレージのポイントをためる選択肢は大幅に増えました。背景のひとつは、1990年代後半から始まった、世界規模での航空会社のアライアンス結成の動きです。アライアンスは、マイレージの提携によるサービス向上、およびそれによる利用者の囲い込みを目的のひとつにしています。マイレージがスタートした当初は自社便に乗ってマイルをため、自社便の無料航空券を獲得するのが基本でしたが、アライアンス結成後は加盟各社間でマイルの相互加算と特典の相互利用が可能になり、サービスがより魅力的なものになりました。アライアンスの提携関係を利用してマイルをためる方法は、別途「マイレージの選び方と活用術」のテーマでご紹介する予定です。
ちなみに航空会社や各アライアンスのウェブサイトなどには、どの航空会社に乗って、どのプログラムに加算すると、何パーセントのマイルがたまるかが、予約クラス別に出ていることも多いので、航空券を予約する際に確認しておきましょう。
クレジット会社と提携しているプログラムも多い。公共料金もカードで支払える時代なので、賢く使うと毎月確実にマイル残高が増える。写真はユナイテッド航空の提携カードの例。
加えて、JALのプログラムでは電子マネー「ワオン」、ANAのプログラムでは同じく「エディ」の利用などでもポイントがたまりますから、その気になれば、毎日コツコツとマイル残高を増やすことが可能です。飛行機に乗る機会が少なくても、あるいは飛行機にまったく乗らなくても、マイルをためて特典に交換できる仕組みが広がったことが、マイレージファン急増の理由といえます。
ところで航空会社が提携会社を増やすのは、マイレージがビジネスになるからでもあります。各社と提携関係を結ぶことで、航空会社は収入を得ています。提携会社はマイルがたまることをうたい集客効果を上げる見返りとして、航空会社に相応のコミッションを支払うのが一般的。つまり、航空会社は提携会社にマイルを販売しているわけです。海外ではマイレージサービスを担当する部門を子会社として分離・独立させ、収益性を高めるケースも見受けられます。