100年店ランチ/東京の100年店ランチ

巴町 砂場(そば/虎ノ門/創業1839年)

【閉店】名物は3代目が考案した「趣味のとろそば」。今回は東京屈指の老舗そば店「巴町 砂場(ともえちょう すなば)」をご案内します。

菅野 夕霧

菅野 夕霧

100年店ランチ ガイド

コピーライター。PRコンサルタント。Yahoo!ニュース配信元の地域情報サイト「市ケ谷経済新聞」編集長。著書に『ヤフートピックスを狙え』(新潮新書)。All Aboutグルメガイドとして、老舗店のランチを紹介する「100年店ランチ」を連載中。

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※2017年6月閉店

地下鉄・神谷町駅から徒歩3分。そば店「巴町 砂場」

同店店頭

同店店頭

東京メトロ日比谷線の神谷町駅から地上へ上がると、国道1号線が通っています。国道を虎ノ門方面へ歩いて3分ほどでしょうか。右手にそば店「巴町 砂場(ともえちょう すなば)」があらわれます。少し入口が奥まっていること、それほど大きな店構えではないので、初めての際は通り過ぎてしまいそうになるかも知れません。

こぢんまりとしながらも、老舗風情を漂わせる外観。大通りのそばで、静かにたたずむ……といった感じでしょうか。地下鉄・虎ノ門駅からも歩けない距離ではありませんね。以前こちらで紹介した「虎ノ門 大坂屋砂場」からも近い立地です。

創業は1839年(天保10年)

立て看板には「趣味のとろそば」の文字

立て看板には「趣味のとろそば」の文字

巴町 砂場の創業は1839年、時代は江戸・天保年間のことです。南千住の砂場総本家とともに、東京のそば店としては屈指の歴史を誇ります。ちなみに店名に付く「巴町」はかつてのこの一帯の地名。そんな巴町 砂場がその歴史を刻み始めた1839年とは、どんな時代背景だったのでしょうか……。

この年の大きな出来事といえば、「蛮社の獄」があります。蘭学や西洋事情を研究するグループ「蛮学社中」を幕府が弾圧した事件です。翌1840年にはアヘン戦争があり、西欧列強への脅威が高まります。幕府のあり方、近代化のあり方みたいなものの論議が交錯する時代ですね。また、江戸三大飢饉の1つ、天保の大飢饉がようやく収まってきたのもこの年だと言われています。そんな中、巴町 砂場が営業を始めています。

では、神谷町駅に近い老舗そば店へと参りましょう。
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