丸型ポストの会の活動
郵便ポストがつなぐ人や地域の交流という点でいえば、全国的にさまざまな試みがありますが、郵便局関係者と深いタイアップができていることや活動の規模の大きさ、メディアの注目度などを見た場合、「丸型ポストの会」は特筆すべきでしょう。同会は平成17(2005)年10月に丸型ポスト愛好家8人によって発足した有志の会であり、全国の丸型ポストを約30年前から撮影してきた新家一郎さん(大阪・元郵便局職員)が会長を務め、会報『郵便差出箱』を隔月発行しています。
東京駅開業100年の丸型ポスト設置
丸型ポストの大きな話題としては、東京駅開業100年ポストの設置ではないでしょうか。丸型ポスト写真家 庄司巧さんは昭和50年代まで茨城県神栖市内で使用されてきた大正時代の丸型ポストを東京駅丸の内駅舎設置を提案し、小沼さん(千葉・日本郵便職員)が1950年頃から1960年代にかけて丸型ポストを製造していた鋳物メーカー 吉村工業(埼玉県川口市)の協力によって修復し、歴史あるポストの移設を実現。新しくよみがえった歴史ある東京駅に華を添えました。丸型ポストがつなぐ地域の結びつき
もう1つ見るべきは、「第1回丸型ポストサミットin大崎」の開催です。宮城県大崎市では地元の四季彩通り商店街の活性化のため、映画『幸せの黄色いハンカチ』をヒントに、平成17(2005)年5月17日に丸型ポストを黄色に塗った「幸福の黄色い郵便ポスト」を設置されました。この全国初の黄色いポスト設置10周年を記念して、全国で丸型ポストを使った地域活性化を推進する人びとが集まり、積極的な意見交換を行いました。もちろん「丸型ポストの会」の方々も第1回ポストサミットの開催にあたって重要な役割を果たしています。
Facebook版の「丸型ポストの会」
「丸型ポストの会」は平成26(2014)年9月29日からフェイスブックで公開グループを運営し、400人を超える会員が思い思いに丸型ポストの写真を共有したり、イベント情報を交換したりしています。気軽に参加できる場なので、関心のある方はぜひ訪ねてみてください。丸型ポストの持つ魅力とは
街角に立つ赤い郵便ポストに、風雪に耐えながら人びとの様々な思いをこめた手紙を預かる健気さを感じることもあれば、どーんと構えた頼もしさを感じる人もいるでしょう。きっと丸型ポストには、日本人の心の琴線に触れるものがあるのだと思います。もう一方で、やはり郵便ポストは使われてこそ生きるものでもあります。ぜひこの夏、お世話になった方に暑中見舞いなどを書いてみてはいかがでしょうか。さて、次回の記事ですが、この夏に切手の用事でシンガポールへ出かけますので、現地の切手事情について紹介したいと思います。