切手収集/切手収集入門

注目を集める丸型ポストの現在(3ページ目)

最近、丸型の郵便ポストがちょっとしたブームになっています。郵便ポストが赤いのはなぜか、丸型の郵便ポストで町おこしとはどういうことか、なぜ今丸型ポストが人気なのか、そんな疑問について考えていきたいと思います。

板橋 祐己

執筆者:板橋 祐己

切手収集ガイド

郵便ポストの町?!東京都小平市

東京都小平市には都内の自治体で最多の31本(平成27(2015)年1月時点)の丸型ポストがあることから、「丸いポストのまち こだいら」として、「さんぽすと」(散歩+ポスト)と題したラリーイベントや「丸いポストのある風景」という写真展など、さまざまなユーモアあふれる催しを行っています。
小平市の郵便ポストマップ

丸いポストのまち・こだいらのマップ。ポスト巡りのマップが紙版とPDFファイル版とで無償配布された。

小平の日本一丸ポストとは?!

東京西部の小平で必見なのは、「日本一丸ポスト」でしょう。小平駅南口から徒歩3分の場所にある丸ポストは平成21(2009)年10月1日に設置され、その高さは通常の丸ポストの約2倍の2.8メートルです。
日本一丸ポスト

小平駅南口から徒歩3分の日本一丸ポスト。

てっぺんの部分は中華鍋を使うなど、地元の方がさまざまな工夫を生かしながら作ったもので、本物のポストとして使われています。下の投入口は1.4メートルの高さですが、上の投入口は2.1メートルの高さですから、男の人でやっと手が届くほどです。
日本一丸ポストとバス停

日本一丸ポスト。付近にあるバス停よりも大きなインパクトがある。

併せて訪れたい旧小平小川郵便局舎

もう1つのオススメのスポットは、小平ふるさと村にある旧小平小川郵便局舎(小平市指定有形文化財第1号)です。小平小川郵便局は小川郵便局として明治13(1880)年11月に開局し、明治15(1882)年10月から小川村の旧名主小川弥次郎が局長を務めました。小平は江戸時代初期に玉川上水ができて開かれた新田村落であり、小川家はその開発で重要な役割を果たしたことで知られます。
旧小平小川郵便局

旧小平小川郵便局の局舎(入場無料)。注意深く見ると、ホーローの看板や屋根などに郵便マークのあしらいが見つかる。

日本郵便局名鑑』(鳴美、2015年)によると、明治26(1893)年7月にこの局は小平郵便局に改称しました。現存の局舎は新たに荒井伊左衛門が明治42(1909)年3月から局長を務めた時からのもので、大正5(1916)年9月末日に集配を廃止するまで地域の郵便の中心でした(国分寺郵便局へ移管)。また、大正10(1921)年7月から昭和19(1944)年5月にかけては電話交換業務も行われました。
丸型ポストと旧小平小川郵便局

旧小平小川郵便局局舎。局舎の前には、丸型ポストが設置されている。

旧小平小川郵便局舎は昭和58(1983)年1月まで青梅海道沿いの郵便局として使用され、平成3(1991)年に小平ふるさと村内で復元工事が行われました。現在では旧局舎前に丸型ポストも設置され、大正・昭和のレトロな風情が楽しめます。ちなみに、現在の小平郵便局は昭和38(1963)年12月に旧普通郵便局として開局したもので、一方の小平小川郵便局(旧特定郵便局)はかつての小平郵便局が昭和38年4月に改称し、平成27(2015)年3月20日の営業をもって廃止された局ですから、沿革史の上でも完全に別の郵便局です。
小平小川郵便局の窓口

旧小平小川郵便局の窓口。営業していた当時のかたちで残されている。

次のページは丸型の郵便ポストがつなぐ、人や地域の交流について紹介したいと思います。
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