公認会計士試験/公認会計士とは

公認会計士試験の「監査論」で問われる能力とは?

公認会計士試験(短答式試験・論文式試験)の試験科目の中には、公認会計士として、上場企業の監査を行うための理論である「監査論」という科目があります。この「監査論」は、仕事をする上で、極めて実務・実践に近いものです。今回は、この試験科目について解説します。

日根野 健

執筆者:日根野 健

公認会計士ガイド

「監査論」の論文式試験は不正発見のための思考力が問われます。要となる学識とその応用能力があるかどうかを判定することが目的です。
主要科目である「会計学」、「監査論」、「企業法」、「租税法」において、それぞれどのような問題が出題されているのか分析を通して、公認会計士に求められる能力について考えたいと思います。

今回は「監査論」について、その出題範囲と最近の出題傾向にも言及しながら考えてみることにします。

【図表1undefined試験科目(短答式・論文式)】

         【図表1 試験科目(短答式・論文式)】



良問で点数を稼ぎ、難問・悪問で部分点を狙う!

公認会計士試験の過去問を見ると、他の試験と同じく、良問(真面目に勉強していれば得点が稼げる問題。真面目に勉強した者とそうでない者との得点差がきっちりと開く)と、難問・悪問(真面目に勉強した者とそうでない者とで得点差がつかない)があります。

本試験が終了すると、TACや大原といった専門学校が解答例をWEB上に発表しますが、専門学校によって解答が異なることがたまにあります。そういう問題が、難問・悪問といえるでしょう。

試験合格のためには、良問で「いかに点数を稼ぎ」、かつ、難問・悪問で「どれだけ多くの部分点数が取れるか」が、合格のカギです。
詳しくは「公認会計士試験の専門学校に通う最大のメリットとは」の記事でご紹介しています。

【図表2undefined確実に取るべき得点比率のイメージ】

      【図表2 確実に取るべき得点比率のイメージ】

なお、公認会計士試験は、公認会計士・監査審査会から公表される「出題項目の例」というものから出題されます。膨大な試験範囲の中から、出題項目を例示してくれているのですが、「短答式試験」では、これらの項目を体系的に理解しているか否かが判定されます。
また、「論文式試験」では、「出題項目の例」の網掛け部分が重点的に出題され、思考力、判断力、応用能力、記述力等が判定されます。
【図表3undefined公認会計士試験の問題数及び配点】

      【図表3 公認会計士試験の問題数及び配点】



次のページでは、「監査論」の短答式試験について解説します!

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