距離圏によって異なる賃料水準
同レポートでは、沿線・距離圏別の70平米換算月額賃料も算出しています。賃料水準を見ると、10km圏では中古マンション価格同様東急田園都市線の賃料が最も高く、中央線、小田急小田原線が続きます。
また、距離圏が都心よりも遠くなるにつれ、賃料も下落し30km圏では、10km圏と比較しても約65%の水準に下がります。
居住目的で買ったマンションとはいえ、築年数が経るにつれ賃貸に出す人も増えますので、ある程度賃料水準がいくらかと言うのも資産価格には影響を与えるでしょう。
距離圏のリセールバリューが物語るもの
この10年間を考えると、都心回帰が加速した10年と言えるでしょう。リーマンショックの後も千代田区を除き、都市部の人口は増加トレンドにあります。日本の人口重心が徐々に東に移動しているように、首都圏でも東京に向かって南東方向に移動しているようです。現在の東京都の人口重心が杉並区成田周辺(平成17年国勢調査データ)にあることを考えると、中央線のリセールバリューが比較的高かったのも頷けます。
家を買うのに、資産価格が全てではありませんが、将来の姿を描いてマンション探しをするのも大切な視点かもしれません。