10年後の価格に影響を与える距離圏
「買ったマンションの将来の資産価格がいくらになるのか?」は、新築マンションを購入する際に誰でも、気になる点でしょう。不動産調査会社の東京カンテイより、首都圏西部に延伸する鉄道7路線の築10年後の中古マンションのリセール価格を比較分析したデータが発表されました。このデータを見ると、距離圏とリセールバリューに大きな相関があることがわかります。都心からの距離圏が近いほうが、価格維持率が高い傾向が見られます。中でも、城南・城西エリアの沿線は相対的に価格維持率が高く、10km圏でみると、小田急小田原線(南新宿~千歳船橋)97.0%、東急田園都市線(池尻大橋~二子玉川)95.2%、中央線(中野~荻窪)91.1%と新築時に近い価格になっています。
また、20km圏~30km圏を見ると、中央線(20km圏西荻窪~武蔵小金井・30km圏国分寺~立川)のリセールバリューが高くなっています。古くからの市街化形成され商業集積があることや通勤利便性の高さも反映されていると思われます。
新築マンション価格の上昇もリセールバリューに影響
現在の新築マンションの供給価格も、中古マンションの価格には影響を与えています。リセールバリューの上位にランクされる中央線は、新築マンションの供給価格も距離圏別で見ても高くなっています。中古マンションの価格水準を現在の新築マンションの価格水準と比べてみると、10km圏では、小田急小田原線が74.7%と乖離が最も小さく、東武東上線が、54.7%と最も乖離が大きくなっている(東急田園都市線68.4%、中央線63.3%、京王線63.2%、西武新宿線62.2%、西武池袋線58.6%)。
見方によっては、中古マンションとの乖離が小さければ新築マンションはリーズナブルと言う見方も出来、逆に新築マンションとの乖離が大きければ、中古マンションは割安と言う見方も出来るので、一概には言えないが少なからず10年前の新築マンションの供給価格と今の供給価格は異なるので、10年後に上記と同じ結果になるとは、言い切れないかも知れません。
次ページでは、リセールバリューのもう一つの要因を紹介します。