ドラゴンクエストビルダーズが導火線に火をつける?
アレフガルドの城や街を自分で作れる!?(橋本 モチチ)
竜王によって荒廃してしまったアレフがルドを復活させるという舞台設定で、ブロックで表現された世界で自由な創造が楽しめるということで、ブロックメイクRPGというジャンル設定がされています。2015年7月28日に六本木で行われた「ドラゴンクエスト新作発表会」で公開されたプレイ動画を観る限り、これがどっからどう見てもマインクラフトそっくりなんですね。
実は、あまりにそっくりすぎて、最初の発表後すぐに批判の声も上がりました。言葉を選ばずそのまま申し上げますと「パクリ」ではないか、という。
しかし、ガイドはこれはもしかするととても良いこと、楽しいことかもしれない、とも思うんですね。マインクラフトというゲームはこれこそ斬新というにふさわしい、驚きと発見のたくさんあるゲームではありますが、これが誰にもおすすめしやすいかというわれると、そうではありません。
ゲームの目的はまったく存在せず、ユーザーは何をしたらいいか自分で考えなければいけません。説明も決して親切ではなく、インターネットで調べながらでなければ分からないことがたくさんあります。演出は控えめというより簡素に過ぎ、BGMはどこまでもささやかで冒険を盛り上げてくれたりはしません。ユーザーインターフェースは元々がPC用のものですから、家庭用ゲームのコントローラーに最適化されているとは言えません。
それでも、気がつけば100時間、200時、人によってはそれ以上に遊んでしまい、少々のとっつきにくい要素すら、いつの間にか愛おしくさせてしまうような魅力というか、もはや魔力のようなものがあるのがマインクラフトというゲームではありますが、やっぱり万人向けとは言い難いものがあります。もう少し、日本人向けのチューニングにしたらもっと遊ぶ人が増えるんじゃないか、という予感は確かにあるのです。
ドラゴンクエストというシリーズ自体、当時PCで、しかも多くは海外で遊ばれていたRPGというジャンルを日本のご家庭のテレビ画面に定着させたタイトルです。それが今度は、マインクラフトという世界的なヒットを、広く普及させることに成功させるとしたら、なかなか痛快であるかもしれません。
もちろん、ドラゴンクエストのガワを被せただけの単なるコピーではガッカリです。しかし、スクウェア・エニックスがマインクラフトの持つ創造性の高い遊びを日本のゲームユーザー向けに上手にアレンジしてくれたら、それはこのジャンルが日本でもよりたくさん遊ばれるきっかけになるかもしれません。「ドラゴンクエスト発表会」では、例えば壊れかけたお城を用意しておいて、それを直すことで、ゼロから作れない人でも大きな建造物に取り組みやすくするであるとか、設計図があったり、なんていう発言も飛び出していました。
ディレクターは「世界樹の迷宮」や「セブンスドラゴン」など、チャレンジ精神を持って新規タイトルを次々と立ち上げている新納一哉氏ということで、大変に期待が持てます。
PS Vitaで、どうやらマインクラフトが売れているようです。しかもそれは、子ども達からの人気が広がりつつあり、SCEはこれをさらに盛り上げる為に、非常に熱心な取り組みを見せています。
そこにドラゴンクエストが登場した時に、どんな化学変化が起こるのか、それはPS Vitaというプラットフォームが新しいユーザーを獲得し、大きく躍進きっかけにも、なるかもしれません。
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