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マインクラフトはPS Vitaを救うか?(2ページ目)

みなさん、PS Vitaのゲームというと何を思い浮かべますでしょうか? やっぱり「ゴッドイーター」シリーズを筆頭とした、みんなで協力して巨大なモンスターを倒すようなゲームでしょうか? それとも「ペルソナ4 ザ・ゴールデン」などのRPGでしょうか? それが今、全く別の所から火がつきそうなんですね。それが「マインクラフト」というゲームです。しかも、子ども達に売れているというではありませんか。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

導火線的売れ方

PSVitaとPS3の図

色んなハードで出ているにもかかわらず、なんで今、PSVita版が伸びているのでしょうか?

PS Vita版マインクラフトのMinecraft: PlayStation Vita Editionのパッケージ版なんですが、今どのくらい売れているかというと、約25万本。注目すべきはその売れ方です。初週販売本数は、4万本弱でした。「あれ? たいしたことないな」と思いましたでしょうか? そう、ちょっと、というか、かなり少ないスタートなのです。

世界的に大ヒットと言えども日本ではまだゲーマーに知られる程度ですし、2009年に誕生したゲーム、いまやPC版だけでなくPlayStation3(以下PS3)、PlayStation4(以下PS4)、Xbox360にXboxOne、iOSにAndroid版もあり、そもそも約半年程先行してダウンロード版が発売されているわけで、どうしてもやりたい人は既に購入済み。たいした規模でないのは当たり前と言えば当たり前です。

逆に考えると、じゃあそこから24万という数字にどうして伸びているのか? というほうがよっぽど不思議なのです。しかも、パッケージ版発売から4か月ほどたった今も週に1万本ほど伸びています。

どうやらこれは、小中学生に人気が出ているようなのです。この、ジワジワとゆっくり売れていく現象は、子ども層に人気がでたタイトルの特徴でもあります。子ども達は自分の好きにできるお金が少ないですから、いつも発売と同時にゲームを買うというわけにはいきません。誕生日だったり、テストの後だったり、何かのきっかけでゲームを買ってもらいます。PCやスマートフォンで自由にゲームができない子達の選択肢として、PS Vitaがジワジワきているようなんですね。

子ども層の人気というのは、ゆっくり浸透して、どこかでドカンと爆発することがあります。この売れ方は、まるで導火線に火がついているかのようです。


PS Vitaがマインクラフトと共に低年齢層にリーチしていく

中学生の図

どうやら子どもたちにジワジワと浸透してきているようなのです

実は、2015年1月24~25日に幕張メッセで開催していた「次世代ワールドホビーフェア '15 Winter」でも、ソニー・コンピュータエンタテインメント(以下SCE)がマインクラフトブースを設置、Minecraft: PlayStation Vita Edition体験コーナーは1時間待ちになるなど、子ども達の熱気で大変な賑わいだったようです。

SCEでは、「マイクラ部」なる活動を行い、次世代ワールドホビーフェアの展示や、あるいは子供に人気の定番雑誌、「コロコロ」でのマインクラフト記事の展開、全国キャラバンなども行っています。

さらにマイクラ部は、2015年8月8日に京都で、22日には東京で「マイクラキッズフェス EAST&WEST」を開催予定。もうタイトルからして、完全に子どもをターゲットに絞り込んでいます。

そしてもちろん、子ども達にMinecraft: PlayStation Vita Editionが売れているということは、それに伴って、PSVitaも、ジワジワと浸透しているということが言えるはずです。これはPSVitaにとって、非常に心強いことです。もしかすると、大きな流れを変えることにもなるかもしれません。
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