企業経営のノウハウ

社内イベントの季節、転ばぬ先の杖、成功のテクニック

暑気払いにバーベキューパーティー。秋の紅葉に続き、年末になれば忘年会やら新年会。夏から秋、そして冬へと、社内の親睦を深めるための社内イベントが数多く実施されることでしょう。親睦会と言えども、会社負担で行うであれば、事務局側としては、なんらかの効果を見越して企画、実施したいもの。今回は社内イベントの成功のテクニックを紹介してみましょう。

豊田 健一

執筆者:豊田 健一

総務人事・社内コミュニケーションガイド

社内イベントの効果とは?

『月刊総務』2013年9月号の特集「企業を強くする場の作り方」で取り上げられた「効果を最大化する社内イベントとは」(株式会社ジェイティービーモチベーションズが実施した「社内イベントに関するモチベーション調査」)から見ていくことにしましょう。

社内イベント後の職場内変化、上位5つは下記のような結果となっています。
社内活性化している様子

社内イベントをすることで、職場の雰囲気が変わってくる


1 職場の中でコミュニケーションが増えた
2 他部門と仕事がしやすくなった
3 仕事に対するモチベーションが上がった
4 上司と話しやすくなった
5 職場に活気が出た

このように社内コミュニケーションに対して大きな効果があるとともに、業績向上にも効果があるようです。他部門と仕事がしやすくなる、モチベーションが上がる、上司と話しやすくなる。これらは、そのまま業績向上に繋がる良い風土に直結するからです。

この社内コミユニケーションのコーナーで何度も記していますが、組織のベースとなるコミュニケーションが活性化されるとともに、他の部門との協業の風土、それによるイノベーションが生まれる風土が醸成されることにも繋がるのです。

このように大きな効果が見込まれる社内イベントですが、さらにその効果をアップさせるにはどのような取り組みが必要となってくるのでしょうか?

企画意図の首尾一貫性と参加者への周知徹底

社内イベントは、コストも人手もかかります。就業時間内に行われる社内イベントでは、参加した社員の機会損失というリスクも背負っていることになります。周年事業のイベントですと、多大なコストと社外のお客さまへの配慮も必要となります。

当然ながら、何か企画意図があるので社内イベントを行うのですから、事務局内では社内イベントの企画意図について、首尾一貫した姿勢が必要となります。判断に迷ったらその判断軸となりますし、参加者にとっては「ぶれない、意味のある」イベントとして見せていかなければなりません。

逆に言えば、今まで行っていた社内イベントの目的を再度見直してみるべきです。そもそも何のためにそのイベントを行っていたのか、目的は何なのか。単純な親睦会だけで良いのか、多少なりとも経営メッセージを含ませるのか。せっかく多くの社員を集めたのであれば、去年より、前回より効果のあるものにしたいところです。

例えば、12月の定例行事である忘年会。例年通りに行うのではなく、忘年会の目的は何なのか、今一度考えてみましょう。目的が「組織風土を良くするための懇親の場」であるなら、年間MVPを表彰する場にしてもいいかもしれません。その際も、なぜ表彰されたかを伝えることで、会社はこのような動きをする社員になって欲しいのか、という気づきにもつながります。そのような仕掛けをすることで、従来の飲み会も少しバージョンアップ、さらに効果のあるものにすることができます。

事務局側の首尾一貫性とともに、社内イベントを開催、告知する際にも、企画意図は明確に謳っておくことが大切です。参加する側の意識もベクトルを合わせておくことで、イベントの成功率も上がります。先の忘年会の企画意図、プログラムも事前に告知しておくことで、参加する側の心構えともなり、事前準備も可能となり、結果として、成功、意図した企画の効果が上げられることになります。

確かに、サプライズという趣向もあるでしょう。それはそれで隠しておいて、しかし、企画意図、社内イベントの目的は事前に明確にして、告知することが大切です。
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