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基準点発表!平成27年度司法書士試験【データで分析】

平成27年8月10日(月)、平成27年度司法書士試験の択一の基準点などが発表されました。発表された基準点も入れた様々なデータを示します。また、気になる記述の基準点の予想もします。

松本 雅典

執筆者:松本 雅典

司法書士試験ガイド

基準点発表

平成27年8月10日(月)、平成27年度司法書士試験の択一の基準点が発表されました。
司法書士試験では、平成23年度から、9月末または10月初旬の筆記試験の合格発表前の8月の第2月曜日に、択一の基準点などが発表されるようになりました。
発表された平成27年度の基準点は、以下のとおりです。

・午前択一 30/35問(90/105点)
・午後択一 24/35問(72/105点)

平成27年度司法書士試験筆記試験(多肢択一式問題)の基準点等について(資料)(PDF)


また、以下の資料も公表されています。

平成27年度司法書士試験得点別員数表(PDF)
午前択一・午後択一それぞれについて、得点ごとに何名の受験生の方がいるかを記載したデータです。

平成27年度司法書士試験筆記試験(多肢択一式問題)正解(PDF)
午前択一・午後択一の正解番号です。例年、記述は正解が公表されませんが、択一は正解が公表されます。

平成27年度司法書士試験問題
試験問題は、択一・記述の双方が公表されます。記述については、答案用紙も公表されます。

予想されていた基準点との差

私が講義をしている辰已法律研究所のデータリサーチ(受験された方に解答した番号などを記載していただくもの)によると、例年どおりの偏差値と同様であれば、午前択一は「30問または31問」、午後択一は「24問または25問」が基準点であると予想されていました。

ただし、午前択一の基準点が30問以上となったことはなく(過去最高は平成21年度の29問)、基準点をあまり高くしてしまうと、受験者数の減少に拍車がかかる可能性があるなどの理由から、午前択一の基準点は政策的に「29問」まで下げると考えられていました。

しかし、発表された午前択一の基準点は「30問」ですので、政策的な考慮がされなかったのだと思われます。
30問は、過去最高の基準点です。

午後択一の基準点は、予想どおり「24問」となりました。

基準点・基準点合計得点・合格点の推移

平成27年度の択一の基準点を加え、平成15年度以降の基準点・基準点合計得点・合格点の推移を見ていきましょう。なお、平成27年度の記述の基準点と合格点は平成27年8月10日現在発表されていません(※)。
筆記試験の合格発表がある平成27年9月30日(水)に発表されます。

【基準点及び合格点】(平成27年度~平成15年度)

※小数点2桁以下四捨五入
※平成27年度~平成15年度のうち、それぞれの項目の最高点及び最低点を赤字にしています(平成21年度以降と平成20年度以前では記述の配点および満点が異なりますので、3.記述、4.基準点合計、5.合格点は、%を基準に赤字にしています)。

司法書士試験の基準点及び合格点(平成27年度~平成15年度)

司法書士試験の基準点及び合格点(平成27年度~平成15年度)



択一の基準点の推移

択一の基準点の推移をグラフにすると、以下のとおりです。

司法書士試験の択一基準点の推移

司法書士試験の択一基準点の推移


午後択一の基準点が、午前択一を上回ったことはありません(平成19年度は同じ点です)。それは平成27年度も同じなのですが、ここまで差が開いた(6問)のは初めてです。

平成27年度の記述の基準点は?

択一の基準点を突破された方が最も気になることは、記述の基準点がどれくらいになるかでしょう。それを推測するために、まずは記述の基準点の推移を見てみましょう。

【記述の基準点の推移】(平成26年度~平成15年度)
※平成21年度以降と平成20年度以前では記述の配点が異なります(平成21年度以降は70.0点、平成20年度以前は52.0点)。よって、%を基準にしているオレンジの折れ線のほうをご覧いただくと、平成21年度以降と平成20年度以前の比較もできます。

司法書士試験の記述基準点の推移

司法書士試験の記述基準点の推移



注目していただきたいのは、平成21年度以降、つまり、現在の記述の配点である70.0点の年度です。

司法書士試験の記述基準点の推移

司法書士試験の記述基準点の推移

 

平成21年度以降は、このように「37.5~41.0点(53.6~58.6%)」の中で推移しています。記述の採点基準は公表されていないため、これは推測になりますが、記述については平成21年度以降は「得点調整」がされていると考えられています。

平成21年度以降の記述の難易度は一定だったわけではなく、かなりバラつきがあります。にもかかわらず、基準点がほとんど変化していないことは、基準点が一定になるよう得点調整をしていない限り、説明が困難なのです。

また、私は毎年、合格者の方および択一の基準点を突破した方(記述の採点がされた方)に開示請求答案(採点前の答案を開示請求したもの)と成績通知をご提出いただき、採点基準を探っています。私の分析では、明らかに得点調整をしたと考えられる年度(ex.平成26年度)があります。具体的には、平成26年度のように難易度が高く受験生の方の正答率が悪い場合には、受験生の方の出来がよい箇所の配点を高くし、出来の悪い箇所の配点を低くするなどの調整がされていると推測されます。

よって、平成27年度も、「37.5~41.0点(53.6~58.6%)」の中で基準点が落ち着くものと思われます。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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