白紙撤回された新国立競技場計画案
今、話題の新国立競技場計画。安部首相は7月17日、2020年の東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場の建設計画について「現在の計画を白紙に戻し、ゼロベースで見直す決断をした」と表明した。
2013年9月、五輪招致の国際プレゼンテーションにおいて、一国の首相が、「どんな競技場とも似ていない真新しいスタジアムから、確かな財政措置に至るまで、2020年東京大会は、その確実な実行が確証されたものとなります。」と国際公約したメインスタジアム・新国立競技場で、ある。
これは、大問題だ。
何が起きているのか?・・・・・
何がなされて、何がなされなかったのか?・・・
筆者は建築家ではないが、同じモノ創りを業としている者の一人として、国家プロジェクトである新国立競技場計画を改めてデザイン検証してみた。
国際デザインコンペ 2012年新国立競技場
コトの始まりは、老朽化した千駄ヶ谷の国立競技場。1964年東京五輪のメインスタジアム、そしてサッカーの聖地として刻まれた場所の建て替え計画だった。計画を進めるにあたって、「2012年 NEW NATIONAL STADIUM JAPAN INETRENATIONAL DESIGN COMPETITION」と題し、世界中の建築家へ新国立競技場の「デザイン」が公募おこなわれた。
完成は2018年。2020年東京五輪・パラリンピックのメインスタジアムとなり、文化・芸術の発信基地ともなる新しいスタジアムを新しい創り方で、と掲げたデザインコンペであった。
審査委員は、審査委員長:安藤忠雄、委員:鈴木博之、岸井隆幸、内藤 廣、安岡正人、都倉俊一、ノーマン・フォスター、リチャード・ロジャース、河野一郎。
世界中から応募点数46点。一次審査で11点に絞り、二次審査で次の3点を選定した。
<最優秀案> Zaha Hadid Architects :ザハ・ハディド アーキテクト
ザハ・ハディド(イギリス)
<優秀案> Cox Architecture pty Ltd :コックス・アキテクチャー ピーティーワイ エルティデイ
アラステル・レイ・リチャードソン(オーストラリア)
<入選案> SANAA(Sejima and Nishiszawa and Associates)+Nikken Sekkei SANAA事務所+日建設計
妹島和世(日本)
では、最優秀案、ザハ・ハディドのデザインの魅力とは。