3つの照明方式を理解する

照明には3つの方式があります。それは全般照明、局部照明、それに局部的全般照明です。これは照明の主流がLEDになっても変わりません。

どの部屋でも照明があればいずれかの照明方式に該当します。ではそれぞれの方式についての説明と部屋によってどのような照明方式が有効かを次に紹介します。

1. 重要な全般照明
全般照明イメージ図

図1. ダウンライト照明による全般照明のイメージ

これはおもに作業面や床面の水平面を均一な明るさを得るための照明です。別に均一照明と言われることもあります。

例えば図1のようなダウンライト器具を等間隔に配列することで得られます。しかし良質な全般照明を得るには、器具の光の広がりと器具ピッチの関係に注意しなければなりません。

特にLEDのダウンライトは光の広がりが狭いタイプも多いので、それを選ぶと床面に丸い光のパターンが生じ、光ムラになります。そのようなことにならないようダウンライト器具は全般照明用(ベースライト用)を選びましょう。

全般照明の明るさは部屋の中心から隅までほぼ同じ明るさが理想的です。しかし実際はそのような照明は難しく、そこで見た目で明暗を感じない明るさであれば均一とみなされています。

しかしそれではあまりにも漠然としているため、例えば事務室では最小照度/平均照度が0.6以上と数量化して推奨されていることもあります。

住宅のリビングルームなど複数の人が異なった生活行為を行う場合に全般照明が必要です。そこに細かな視作業が含まれれば明るめの全般照明が求められます。

日本では天井中央に取り付けられた乳白カバー付きの大型シーリングライト器具が全般照明を可能にしています。

全般照明の質を考える場合、まぶしさのないことが重要で、そのためにも光の広がりのあるグレアレス(まぶしさのない)ダウンライト器具を規則的に複数配灯する照明やコーブ照明のような間接照明が勧められます。

全般照明は光源の光色と照度の関係で空間の雰囲気が変わります。例えば白い光で暗いと陰鬱の雰囲気になってしまいますが、同じ明るさでも電球色に変えると雰囲気は改善されます。

玄関や廊下、階段室も安全歩行のために暗がりのない全般照明を求めることが多いですが、一般的にはダウンライト器具が使われます。

2. LED照明が得意とする局部照明
局部照明のイメージ図

図2. 局部照明のイメージ

例えばスポットライト器具で、ある特定の対象物がより明るく引き立つことで、そこに人々の視線を集めることができます。これを局部照明と言いますが、別にアクセント照明とも呼ばれることもあります。

全般照明とは逆にLED器具は白熱灯や蛍光灯に比べ局部照明を得意とします。

ダイニングルームで食卓をドラマチックに浮かび上がらせたい場合、局部照明が選ばれます。また観葉植物や絵画を明るく目立たせたい場合にも局部照明による演出が求められます。

局部照明だけは空間に明暗のメリハリが生じやすくなりますが、直接器具からの光が目に入らなければリラックスの雰囲気や空間に奥行きを感じさせる効果があります。
ダイニングルームで局部照明を使用した例

写真1. ダイニングテーブルや壁面に光を集めることにより、照明対象を明るく浮かび上がらせることができます。


勉強机やキッチンの作業面などで、細かい視作業を行うところでも局部照明が求められます。この場合の照明を別にタスク照明と言います。しかし、タスク照明だけで長時間の視作業は目にストレスを与える恐れがあります。

特に明暗のメリハリがあるほど、目がどちらの明るさに順応してよいか迷うため、目が疲れやすくなります。その場合は局部照明の明るさの1/3~1/10程度の全般照明との併用が求められます。

3. 局部的全般照明とは?
局部的全般照明イメージ図

図3. 局部的全般照明イメージ図

視作業面や照明したい対象が機能的に明るくなるよう照明することで、結果的に部屋全般の照明を兼ねる照明を局部的全般照明と言います。

より効果的な局部的全般照明を得るには照明器具の選定と配灯が重要です。

例えば食卓の照明を図3のような乳白ガラスシェードを持ったペンダント器具を使用すれば、部屋の大きさにもよりますが食卓を明るくしながら空間全般も照明してくれる可能性もあります。

次のページでは「望まれる併用照明」についてご紹介します。