最も上昇したのはアルゼンチン
上昇したファンドは
逆に予想以上に堅調な株式市場だったのが欧州各国です。年初からギリシャ問題が騒がれていましたが、ECB(欧州中央銀行)の量的緩和を背景に、各国の市場は金融相場に突入。GW前後頃までは先進国のトップを独占する状況でしたが、5月以降のギリシャ不安の混迷化により上昇率は鈍化してしまいました。それでもドイツ、フランスなどの国々は二桁以上の上昇率となっています。
急騰、急落を演じた中国上海市場ですが、上半期の上昇率は約15%とまずまずの成績と言えるでしょう。主要国の株式市場で最も上昇した株式市場はアルゼンチンで、上昇率は約40%となっています。日経平均株価も約18%であることから、上昇率上位国となりました。
日本株のブル型が上位を占める
ベトナム、インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチンの頭文字をとったVISTAを投資対象とした投資信託はありますが、アルゼンチンだけを投資対象とした投資信託は残念ながら設定されていません。このため2015年上半期の上昇率トップは、日本株を投資対象としたブル・ベアファンドです。図は純資産額10億円以上、ETF(上場投資信託)、DC(確定拠出年金)、SMA(ラップ口座)専用ファンドを除いた2015年上半期の上昇率トップ20です。20ファンドの投資対象は日本株と中国A株だけとなっています。
日本株ファンドのほとんどはブル・ベア型ファンド。中でもレバレッジ2倍から3.5倍かけた商品がランクインしています。トップは野村アセットマネジメント「野村3.5倍ブル・ベア(日本株ブル3.5倍)」で、唯一上昇率は60%を超えています。日本株のブル・ベア型ファンドには、SBIアセットマネジメントに3.7倍ブルがあるのですが、設定が2015年2月であることから、運用期間が上半期(1月~6月)を満たしていませんでした。
18位の京都・滋賀インデックスファンドは、京都・滋賀に本社がある企業の株式で運用されるファンド。上半期、京都に本社がある村田製作所、任天堂、日本電産などの株価が大幅に上昇したことが好成績の要因のようです。
中国株を投資対象としたファンドは、上海、深センのA株を主な投資対象とするタイプがランクインしています。仮に中国株が急落しなかったら、ランキング上位は全て中国株ファンドが占めていたことでしょう。
下半期はどんな投資信託が上昇率のランキング上位にくるのか、あるいは2015年1年を通した場合、どんな投資信託が好成績なのか興味は尽きないところです。なお、上半期の上昇率ランキングのファンドは、いずれも純資産額は1000億円未満でした。言葉は悪いですが、売れ筋ファンドとは異なるということです。