マネジメント/マネジメント事例

成功事例から見る、ビジネスモデルの基本とは

ビジネスモデルとは、事業展開を検討する際に「どこで儲けるか」の仕組みを考えることです。このビジネスモデルこそが、実は事業の成否や利益の多寡を左右し同業ライバルとの差別化を決定づけることもままあるのです。事業化において大きなポイントになる、ビジネスモデルの考え方を、その代表事例と共に解説します。

大関 暁夫

執筆者:大関 暁夫

組織マネジメントガイド

スタートは製造業とサービス業、二つの典型的モデル

利益を生み出すための仕組みであるビジネスモデル、その最もオーソドックスなものは、材料を仕入れて加工あるいは装飾することで新たなものを生み出し、そこに付加価値を生ませ販売するモデルです。ほとんどの製造業、飲食業などがこれに当たります。ここでは、これをひとまず製造業タイプと呼んでおきましょう。

それに対するもう一つの代表的なビジネスモデルが、役務を提供し対価を受け取るスタイルです。これはサービス業全般があたります。理容、美容、マッサージから清掃、輸送、教育、果ては免許業務である医師、弁護士、税理士に至るまで、同じ形態のビジネスモデルでありながらも役務の内容次第でさまざまなサービス業が展開できるというわけです。こちらはサービス業タイプと呼んでおきます。

解説

モノづくりで付加価値を生む製造ラインは最もオーソドクスなビジネスモデル

製造業タイプの発展形では、製造工程の一部をそのまま請け負うアウトソーシングモデルという別のビジネスモデルが存在します。工場で使う部品を製造する一工程を、下請け会社がそっくり請け負う場合などはまさにこのパターンとなります。

飲食業でも、一部メニューの仕込みから完成一歩手前までを別の業者が担当し、店内では簡易調理で消費者に提供するようなケースも、一種のアウトソーシングモデルであると言えるでしょう。様々な業種で製造工程がある限り、アウトソーシングには無限にビジネスチャンスがあると言えるでしょう。

ネットオークションは、マッチングとスペース貸の複合モデル

一方、サービス業タイプの発展形にはどういうものが挙げられるでしょうか。例えば、投資をしてモノを所有しそれを貸し出すという形へ展開させたビジネスモデルが存在します。不動産賃貸業、貸しホール業、ホテル・旅館業などがそれにあたります。このスタイルには製造業タイプの発展形もあって、自分作ったモノを貸し出すというメーカー系レンタル業のような、製造業モデルとサービス業モデルを合体させたものも存在しています。

またサービス業では、特殊技術や技能をもって役務提供するのとは異なるものとして、マッチングモデルというスタイルが数多く存在します。その代表例は不動産仲介業です。売りたい人と買いたい人、貸したい人と借りたい人を結びつけて仲介手数料を取る、マッチングビジネスの典型例です。

ここ20年ぐらい盛んになってきた、ネット・オークションも言ってみれば売りたい人と買いたい人のマッチングモデルではありますが、主催者がネット上で情報公開スペースを提供するという意味で資産の貸出モデルでもあり、複合ビジネスモデルであると言えるでしょう。

このように新しいビジネスモデルでは、複数の既存ビジネスモデルの組み合わせとして新たなモデルが誕生するケースも多く見受けられます。新規事業のビジネスモデルを検討する際には、既存モデルの複合形を思い描いてみるのも一考なのです。
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