テクノポップ/アーティストインタヴュー

ケラ&ザ・シンセサイザーズの新譜製作秘話(4ページ目)

有頂天の新作『lost and found』と同時発売となったケラ&ザ・シンセサイザーズの新作『BROKEN FLOWERS』からは、ニューウェイヴでありながらもサイケデリックなテイストも伝わります。予期せぬメンバーの途中脱退により難産となったこのアルバムの製作秘話についてKERAさんに語っていただきました。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

今の時代、恥ずかしがってるほうが恥ずかしい

ガイド:
こういうシーンが足りないからそれにあった曲を作って配していく、みたいなところがあると。

KERA:
そうですね。「問題アリ」とかは意図がすごく見え見えだから分かりやすいと思うんですよね。敵側の目線に立っている。「BROKEN FLOWERS」とかも、ちょっと具象的過ぎて以前だったら気恥ずかしさを感じていたと思うんですけど、今の時代、恥ずかしがってるほうが恥ずかしいような気がして。シンセサイザーズはポリティカルなバンドではないし、社会派な詩を書こうとも思ってないんだけど、普通に今の日本に生きてれば誰でも息が詰まる。やばいぞって感じあるでしょ?出来る歌も自然そうした歌になるんですよ。

BROKEN FLOWERS (YouTube)

『Body and Song』も震災後に聴いたら非常にリアルだったりして、予見していたかのような歌も何曲かある。こんな今の世の中に生きていくしかない自分たちへのエールっていう意味で、あのアルバムはポジションを見つけたと思うんです。でも今回のは、いよいよ浮かれてる場合じゃないぞっていうひっ迫感がありますね。

ある程度のニューウェイヴ感

ガイド:
今作は60年代後半のサイケデリック・ミュージックの要素が取り入れられるなど、今までのシンセサイザーズにはなかったアプローチが随所で見られるため、戸惑う人も多いと思われます。でもそういう中で、モロにニューウェイヴなノリの「ロケット・ソング」みたいな曲が出てくると…

KERA:
ホッとする(笑)。だから通して聴いてもらいたいね。ライヴで半分ぐらいのレパート リーが有頂天の曲だった頃のシンセは、とにかくノリを最重要視してたんですよね。決して聴き入るタイプの音楽ではなかった。でも有頂天が再始動てことになると、それは有頂天でやればいいじゃないかっていう。今後どうなっていくか分からないですけど、今はシンセサイザーズでは歌ものをやるという割り切りがあります。僕らがやるとある程度のニューウェイヴ感てのは漂ってくるから、ことさらニューウェイヴ、ニューウェイヴ騒がなくてもいいのかなって。正直、ニューウェイヴに少し飽きてきてるんでしょうね。

ガイド:
そういう意味では、今まで聴いてこなかった人にもぜひ聴いてほしい作品だと思います。

KERA:
今回立て続けに作っている作品群はどれも聴いてほしい。後から振り返ると、あの時期は特殊だったなと思う時期だと思うのね。あんなに音楽創作に集中した事はなかったなっていう。特殊な時期に作ったものには特殊な何かがあると思うんですよね。
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