『社内報白書』で見る、社内報づくりで目指しているタイプ
自社の社内報は、果たしてどのタイプを目指しているのか?
1 情報共有型 (87.8%)
2 コミュニケーション強化型 (58.9%)
3 風土醸成型 (39.8%)
4 意識改革型 (33.3%)
5 トップダウン型 (20.3%)
以下、ボトムアップ型、業務支援型、教育研修型となっています。
社内報づくりで目指しているタイプですから、ほぼ発行目的と言ってもいいかもしれません。多くの企業で、社内の情報共有を目指しているようです。この時、どの情報を共有すべきなのでしょうか。企業活動をしていれば、さまざまな情報が日々発生しています。誌面の制約がある中、なんでもかんでも情報を掲載するわけにはいきません。なんらかの取捨選択の基準があってしかるべきです。
コミュニケーション強化型とは、誌面を通じてコミュニケーションを実現するのではなく、社内コミユニケーションを活発にするきっかけを提供する、ということが目的です。であるなら、どのようなコンテンツを提供すれば社内コミュニケーションが活発となるのでしょうか。
風土醸成型。これこそ、分かったようで分からないタイプです。そもそも風土とは、何を指しているのか。そして目に見えるもの、言葉にできるものでなければ社内報に掲載することはできず、結果として醸成することもできないはずです。一体、どのような企画がこのタイプに該当するのでしょうか。
今回は、この情報共有、コミユニケーション強化、風土醸成を細かく見ていきましょう。
情報共有型。情報の取捨選択の基準とは?
社内報に掲載される情報は、社内の出来事や人物、部署であったりするので、ほぼ全てが社内の情報です。ですから、情報共有型というのは、至極最もなことです。しかし、社内報には誌面の制約がありますから、あらゆる情報を掲載することは不可能です。社内報に掲載して読んでもらいたい、伝えたい、知っておいてもらいたい、そのような情報を選択する必要があります。前回のコラムで、社内広報とは、教育および業務上のコミュニケーション不全の補完と記しました。つまり、業務上必要なコンテンツ、教育で伝えられるコンテンツを補完するものと捉えることができます。絶対に知っておくべきことは、社内報とは別のルート、職制を通じた、ある意味強制的なコミュニケーションの中で伝えられるものです。
ですから、社内報を中心とした社内広報のコンテンツは、平たく言えば、絶対に知っておかないといけないわけではないが、知ることにより、仕事が進めやすくなる、効率的に仕事ができる、会社生活が楽しくなる、そのようなプラスαのコンテンツと言ってもいいかもしれません。
例えば、それは、読むことで
■ モチベーションが上がる
■ 自社への誇りにつながる、自社のことを自慢したくなる
■ 自分の悩み、課題が解決できるヒントを与える
■ 自己啓発につながる
■ 自社の方向性が理解でき、自らの仕事の方向性を定めることができる
■ 自社の社員としての立ち居振る舞いのあるべき姿が分かる
そのようなコンテンツ、情報が考えられます。
つまり、情報を掲載することで、読者に何を伝え、その結果、読者の心情、行動にどのようなプラスαの効果を生みだすかを考えるべきなのでしょう。とりあえず誌面のスペースがあるから掲載するのではなく、その結果、何が起こるのかを見定める。
逆に言えば、目指すべき結果を引き出す情報を取捨選択することが望ましいのです。それは編集方針として定めるものかもしれません。いずれにせよ、情報共有するその情報も漫然と選択するのではなく、一つの基準を持って選択すべきでしょう。情報共有型社内報とは、情報を共有する、という形が目的ではなく、その結果、どうしたいかを見定めた情報を共有する、ということがあるべき姿ではないでしょうか。