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出産退職で生涯年収3600万ダウン!働き続ける秘訣は?

出産等で退職をした後、パートや契約社員として再就職した場合、出産退職せずに働き続けるよりも年収が少なくなるのは、想像しやすいと思いますが、実際、どれくらい変わるのでしょうか。今回は、妻のキャリア別年収の違いと、子育てをしながら仕事をするための秘訣について、ご紹介します。

平野 直子

執筆者:平野 直子

ふたりで学ぶマネー術ガイド

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妊娠・出産を機に仕事を辞める人は、減っている!?

出産後も仕事を続ける女性は増えていると思うけど……

出産後も仕事を続ける女性は増えていると思うけど……

以前、コラム「育休vs出産退職、妻たちの収入徹底比較!」で、『「第一子出産を機に仕事を辞める女性が7割」』と紹介しました。このコラムを書いてから8年が経過しましたが、その後、どうなったでしょうか?

労働政策研究・研修機構の調査によると、2010-14年の間、第1子出産前後の母親の就業変化の割合は、
(1)就業継続(育休を利用):27.7%(2005-09年:21.5%)
(2)就業継続(育休なし):14.4%(2005-09年:15.0%)
(3)出産退職:39.1%(2005-09年:43.4%)
(4)妊娠前から無職:15.4%(2005-09年:15.6%)
(5)その他・不詳:3.4%(2005-09年:4.5%)
とのことでした(「第3回(2014)子育て世帯全国調査」より)。

2005-2009年の頃と比べると、育休を利用して仕事を継続した女性が6%ほど増えて、出産退職した人は4.3%少なくなりました。「出産をしても仕事は続けたい」「家計のことを考えたら働き続けた方がよいと思うから」「職場が育休を取りやすい環境になってきた」などの理由で、仕事を続ける女性が増えたのだと思います。

一方、「妊娠前から無職」(結婚退職など)の割合は、ほとんど変わりありません。共働き世帯の増加に伴って、結婚・出産後も仕事を続ける女性が増えてきた、と言われていますが、出産後も仕事を続けている人は全体として42.1%。「出産退職」と「妊娠前から無職」を合わせると54.5%ですので、まだまだ半数以上の方が、妊娠・出産を機に退職していることが分かります。

よく、「育児休業を取得する人が増えている」というニュースを聞くので、出産後も働く女性が増えている印象があるかもしれませんが、実は計算方法が異なります。例えば、平成25年度の「育児休業を取得した女性の割合」は、76.3%ですが、これは、「調査対象(平成23年10月1日~平成24年9月30日)の1年間に、在職中に出産した女性のなかで、平成25年10月1日までに育児休業を開始した人(育児休業の申し出をしている人を含む)の割合です。つまり、出産後も仕事をしている人に対して「育児休業を取りましたか?」と聞いているので、8割近い女性が育児休業を取っている、というわけです。

一度退職後に再就職すると、年収は120万円ダウン! 30年間で3,600万円の差!

もう少し大きくなったら、ママもパートに出ようかな?

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コラム「育休vs出産退職、妻たちの収入徹底比較!」では、「一旦退職した女性が、再度仕事についた場合、収入は辞める前の半分以下になったという人が、約6割」という点についても紹介しました。育児等と両立させるためにパートやアルバイトとして働くと、時給も労働時間も退職前と比べて少なくなるので、当然のことながら年収は少なくなります。

2014年の調査によると、一度中断して再就職した人は、仕事を継続している人よりも、120万円近く年収が少ないことが分かりました。ボーナスを考慮しない場合、毎月10万円お給料が少ないことになります。仮に30歳から60歳までの30年間、仕事を継続した人と再就職した人との平均年収の差を合計すると、3,600万円の違いが出てくることになります。

下の表は、「出産後も仕事を継続した場合(継続型)と、一度中断した後に再就職をした場合(中断型)」の平均年収などを比較しています。年々、正社員の年収が下がっているせいもあり、継続型と中断型の平均年収の差が縮小していますが、それでも第3回(2014)は、継続型:253.9万円、中断型:135.4万円と、約118万円の差があります。また、正社員の平均年収も、継続型:349.0万円、中断型:135.4万円と、約57万円少ないことも分かりました。

労働政策研究・研修機構「第3回(2014)子育て世帯全国調査」結果速報をもとにガイド平野が図表作成(クリックすると拡大表示されます。)

労働政策研究・研修機構「第3回(2014)子育て世帯全国調査」結果速報をもとにガイド平野が図表作成(クリックすると拡大表示されます。)


女性の平均年収は、男性と比べると少ない、と言われていますが、長い目で見れば、税金や社会保険料を差し引いても、教育費や住居費などに、よりお金をかけられることになります。「私の会社は、働き続けてもあまり年収が上がらないから……」とおっしゃる方もいますが、「継続は力なり」です。

>>働き続ける秘訣は?
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