子供の教育/アクティブラーニング・PISA型学力

「生きる力」を育むため、夏休みに体験したいこと(2ページ目)

長期の夏休み、普段の学校生活では味わえない貴重な体験ができるチャンスです。「生きる力」を育むために、夏休みにどのようなことを体験しておくと良いのでしょうか。

田宮 由美

執筆者:田宮 由美

子育てガイド


日常の「当たり前」を見直すきっかけになるキャンプ

その一つの方法として、家族でキャンプに行くのも良いでしょう。水道の蛇口をひねれば、どこでも綺麗な水が出てくる日本の現状です。最近では蛇口をひねるという行為すらなく、手をかざすだけでセンサーが感知し、水が出てくる所も増えてきましたね。

キャンプ場では、綺麗な水を手に入れるだけでもひと苦労です。ご飯を炊くとき、先ずお米を砥ぐ水から確保しなければなりません。火をおこし飯盒で火加減を見ながら炊いていきます。子供のみならず、便利なった生活に慣れている大人にとっても、当たり前の日常を見直す良いきっかけになるでしょう。

日頃、親が炊いているご飯を何気なく食べている子供は、自分たちで食材を切ったり、調理する過程で「食」への感謝、そしていつも食事の用意をしてくれる「親」への感謝の気持ちも感じながら、家族の絆も深めていきます。

自分たちで苦労して炊いたご飯の味は格別に美味しく感じると思います。


普段使わない五感をフルに活用する

もちろん、テレビもゲームもありません、あるのは自然だけです。大きな夜空を眺め自然の雄大さや、輝く星の美しさを感じる。川の流れの音、木々の葉っぱの擦れあう音、小鳥の鳴き声などに耳を澄まし、夕陽の沈む様子に感動し、風の香り、土や植物の香りを感じ、地面や草の上に寝転ぶ感触を味わう。五感をフルに活用するでしょう。

普段は気づかないことに目を向けることによって、その分野に興味や関心を持つかもしれません。自然や生物、植物、天文などへの知識を深めたい、という意欲は、こういう気づきや感動から湧いてくるものです。


家族で「不自由」を楽しむ体験をしましょう

狭いテントの中では、お互いに譲り合って寝ることや、少しでも広く使うことを考え、荷物の整理もするでしょう。不自由さを自分で回避しようと考え、工夫し、協力しあい、我慢し、決断する。生きる力を育むための、さまざまな力が培われます。

もちろん、キャンプだけではなく、家族で登山なども良いでしょう。ポイントは「家族、仲間」と力を合わせて「困難を乗り越える」という事です。

物が豊かになり文明が発達した今の日本、エアコンのボタンを押せば、指1本で、暑さも寒さも回避できるようになっていますが、今年の夏は、家族で不自由さを体験するのも良いのではないでしょうか。
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