著者・青桐先生に伺いました
不思議な魅力を持つ同作品の著者、青桐ナツ先生に、メールでお話を伺いました。青桐先生は既刊『flat』（全8巻）で人気を博した、まだ若い女性です。
青桐先生自筆ねこさん
「私自身は、もとからお掃除・お片付けが得意というわけではないです。青司が受け継いだような古民家に住んでいたわけでもなく、作中に出てくるような存在を“感じる”などということもありません。
自分としては、何もないホテルのような部屋よりは、大好きなものがたくさんある、図書室やブックカフェのような空間が好きです。古いものは大切にしたいと思っていますが、かといって、「何でも捨ててスッキリ！」という風潮に疑問を持っているわけでもありません。ただ、家を整え、清潔に保つことは、私たちの精神と生活に大きな意味がある、とは思っています。
描きたいことについては、ぼんやりとしたイメージはあるのですがまだ言葉にはできません。ただ、『あめつち』を書くようになり、実家で暮らしていたときのことを思い出すようになりました。例えば実家の神棚はどんなものだったか、年中行事の際はだれがどんなことを行っていたか…。
周囲の自然環境のこと、生活のこと、自分のルーツについて思い返すようになりました。そこで感じたものや、思い出したものが作品に滲みでているかもしれません。」
青桐先生、お忙しい中、ありがとうございました。
清潔な家には神が宿るかも！
片付けと掃除の魅力を再発見
「家」を、「外に反転した自分の心」と見るなら、散らかった家は、心の混乱を、汚れた家は、すさんだ心を表していると言えるでしょう。家の中をきれいにしていくことで、私たちは自分の心を見つめ、整理していくだけでなく、精神的にパワーアップできる。片づけ・掃除のそんな魅力を、『あめつち』は再発見させてくれます。物語と一緒に、お部屋もきれいに…？
まだ、物語は始まったばかりです。一人ぼっちで生きてきた青司が、「家」との関係の中で、それまで抱えていた心もとなさを離れ、自分につらなる存在とつながり直し、成長していくことができるのか？ 読んでいる私たち自身も、日常をきちんと生きていくことで、自分を変えていけるのではないか？そんなことを重ねあわせながら、ゆっくり楽しんでいきたい作品です。
読むうちに、お部屋がだんだんきれいになっていくかも…？
パワースポットめぐりが人気ですが、きれいにすれば、おうちが最高のパワースポットになります。漫画を読んで、お掃除のモチベーションを上げちゃいましょう。
『あめつちだれかれそこかしこ』は、webマガジン『コミック・アヴァルス』にて掲載中。第2巻発売は、8月12日予定です。お楽しみに！
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