演劇・コンサート/演劇関連インタビュー

演劇cafe vol.14 吉野圭吾さんインタビュー!(2ページ目)

演劇ガイド・上村由紀子が”今、会いたい舞台人”にインタビューする【演劇cafe】。 第14弾は吉野圭吾さんです。音楽劇『ライムライト』で石丸幹二さん演じる老道化師カルヴェロの理解者である劇場支配人・ポスタント氏を演じる吉野さんに、作品のことや劇団時代のお話、舞台から離れていた時期のエピソードなどたっぷり語って頂きました!

上村 由紀子

執筆者:上村 由紀子

演劇ガイド

 

実はファンタジーが好き
タイツに震えた高校時代

吉野さん

(撮影:演劇ガイド 上村由紀子)

 
――吉野さんは関東国際高校の一期生として演劇を学ばれたのですよね。

吉野

中学校では演劇部に入ってまして、その時に顧問だった先生に薦められて関東国際高校の演劇科に入学しました。同期の男子は僕も入れて三人という環境でしたね。それで何と、今回の『ライムライト』では歌唱指導の先生が同期で、振付の先生は一期下の後輩なんです!現場で二人が仕事をしている姿を間近で見られるのは凄く嬉しいですね。きっと三人とも高校を卒業してから色々なことがあって、その波を乗り越えて、今同じ稽古場にいるんだな、と。

中学の時に初めて観たミュージカルが『森は生きている』という作品だったんですが、その時は「わー 男がタイツ履いてる」ってちょっとフザけて観ていたりもしつつ、後に自分がもっとハードなタイツを履くことになろうとは思ってもいませんでした(笑)。

――高校時代に影響を受けた作品は?

吉野

当時、劇団四季が青山劇場で上演していた『エクウス』というストレートプレイが衝撃的でした。主役のアランを市村正親さんが演じていらしたのですが、この作品はストーリーが進む中で、市村さんと共演の女優さんが舞台上で服を全て脱ぐんですね。もちろん、照明で上手に処理されている訳ですが。これが凄いインパクトでしたね。「舞台って……演劇って……凄いな」って。

その後、新宿南口の専用テントで上演された『キャッツ』も大好きで、ある時楽屋口で『エクウス』の時に衝撃を受けた女優さんをお見かけして、嬉しさのあまり、つい自分がしていた腕時計を渡してしまったんです(笑)。

――え、そ、それはどういう(笑)?

 

吉野さん

(撮影:演劇ガイド 上村由紀子)


吉野
何とかして自分の熱い気持ちをお伝えしたかったんでしょうね(笑)。で、自分の持ち物で一番高価であろう腕時計をお渡ししてしまったと。それで後に劇団四季に入った時にその女優さんにお目にかかって当時の話になったら「捨てたわよ」と言われ……それはそうですよね(笑)。若い時の勢いってコワイですね~(全員爆笑)。

高校時代に話を戻しますと、『キャッツ』の世界に憧れながら、映像で観た『ドリーミング』も大好きで「いつかこの作品をやりたい!」と強く思ったりしました。中でも市村さんが演じていた犬のチローに魅かれて。ああいうファンタジーな世界、今でも凄く好きですね。
 
――劇団四季でのデビューは『ジーザス・クライスト=スーパースター』ですよね。

吉野

ジャポネスクバージョンの”白子”役で研究生時代にデビューさせて頂きました。舞台のセットでもある大八車を担いだり操作したりという役回りだったのですが、その時の相方が今(拓哉)さんだったんですよ。

その後にエルサレムバージョンにも”群衆”役で出させて頂いたのですが、群衆って兵士たちが槍で作った柵から顔を出して醜い顔をする場面があるじゃないですか。あそこはストップモーションで動作を止めなきゃいけないんですけど、観に来た父が「お前だけ目がパチパチしてた」……と。それ以来、”ストップモーションでは何があっても目をパチパチさせない”と強く心に決めました。『レ・ミゼラブル』でアンジョルラスが死に、バリケードで逆さまの状態になってもこれはしっかり守り抜きました(笑)。

って話すと、ちょっと冗談みたいになってしまうんですが、そういう細かいことって舞台に立つ上で実はちゃんと拘らなくてはいけないし、とても大事なことだと思うんです。

――四季を退団なさってから、舞台を離れた時期があると伺いました。


⇒ 次のページでは舞台から離れた時期について、そして今後挑戦したい役柄について伺います。まさか憧れの役が”アレ”とは!

 

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