三菱自動車の期待の星だったアウトランダーPHEVがマイナーチェンジ
アウトランダーPHEVがマイナーチェンジを行なった。このクルマ、三菱自動車期待の星だったものの、デビュー直後に『GSユアサ』というリチウム電池メーカーの不手際で発熱し煙を出すトラブルを出してしまう。本来なら「生産工程で手が滑るなどして落下した電池は絶対使わないこと」と決められていることを守らなかったのだ。
しかも当初は原因不明。前述の状況、判明するまで時間がかかりました。さらに再発防止対策を完了するまで生産ラインを止めなければならず、デビュー直後の大事な売り込み時期に宣伝も広報活動も休止しなければならないことに。かくして良いクルマながら、知名度も上がらず、話題性の低いまま推移。大いに伸び悩んでしまう。
また、アウトランダーPHEVそのもののイメージを落とす事象もあった。急速充電機能を持つので無料の電気を充電したなら、ガソリン代にして500円分くらい浮く計算。500円のため、本来なら有料となっている日産ディーラーの電気を失敬する人が少なからず出てしまい、大ひんしゅくを買ってしまう(未だに夜中にコッソリ来る人もいる)。
加えて純粋な電気自動車と急速充電器でバッティングすることも多い。この件、三菱自動車内部にも急速充電マナー啓蒙をしなければならないと主張する人が居たのだけれど、どうやら小数派だったらしく打ち切りとなり現在に至る。30分の急速充電をしても40kmくらいしか走れない。だったら急速充電機能を省いてもよかったかもしれません。
使い方があえば想像以上にエネルギーコストは安くなる!
現在は無料で使える急速充電器は減ってきている。毎月かかる基本料金や充電料金を考えれば、急速充電のメリットなど無いと思う。ちなみに夜間電力契約をしている自宅で充電すれば、走行40km分の電力を100円くらいで入れられます。ガソリン代より400円浮く計算。毎日400円浮けば、年間250日乗って10万円分。大きいです。
ここまで読んで「電気ってけっこう安いのね!」と思うことだろう。アウトランダーPHEVのベースグレード『M』は29万円の補助金を使えば330万6400円になる。年間10万円浮けば5年で50万円。何と280万円のガソリン車と同じくらいの総出費額(車両価格+エネルギーコストの合計)で済むのだった。
7年(7万km)乗れば、マツダCX-5のディーゼルエンジン搭載車や、日産エクストレイルのハイブリッドと同等の総出費額になる。7万km以上走れば、むしろ安くなります。クルマとしての魅力はとても大きい。三菱自動車が元気を出し、アウトランダーPHEVのイメージを向上させ、持ち味をしっかりアピール出来れば売れると思う。
試乗会はまだ行われていない。前期型のドタバタした乗り心地など大幅に改善されているという。デザインも良くなったしインテリアの質感だって上がった。気になる人は三菱自動車のディーラーに行き、走行距離によるエネルギーコストの計算などしてもらったらいかがだろうか。使い方が合えば、予想以上に安く付く。
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